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簡単エクササイズ

お正月太りをなかったことに!? 内臓復活のツボ押し

忘年会続きの12月から、休む間もなくお正月休みに突入してなんとなく胃腸の調子がすぐれない…。そんな不調をリセットするために毎日簡単にできるツボケア方法を、美巡セラピスト、漢方美容家の余慶尚美さんに伺いました。内臓から元気になって、パワフルで笑顔あふれる1年の幕開けにしましょう!

Q. 今の時期、胃腸をはじめとする内臓はどんな状態ですか?

お正月の食べ過ぎ、飲み過ぎによる胃腸疲れと、未消化物が胃に停滞する消化不良が起こっている人がほとんどだと思います。しかもお餅は消化しにくいため、お腹のハリや痛み、また、便秘や下痢などの症状がみられる人も多いのではないでしょうか? 同時に、普段とは違う生活のリズムで体内時計も狂い、自律神経の乱れが、ますます内臓機能の低下や消化機能の働きの悪化を加速させていると思います。

漢方では、人は「気・血・水(きけつすい)」の3要素で構成されていると考えられています。生命活動のエネルギー「気」と「血」の通り道である経絡(けいらく)とよばれる五臓六腑にエネルギーを供給する線上にある反応点がツボ。このツボを刺激することによって、気や血の巡りを改善させ、その先にある臓腑の機能が活性し、変調を調えていくことが可能です。

今の時期は「寒さ」によって、「気血水」の巡りが悪化しやすい時期でもあるので、体の反応点であるツボを刺激することで、気血水の巡りを整え、内臓からケアしていくことが効果的です。

Q. こんな症状のときはこのツボ!というおすすめを教えてください。

●食べ過ぎた翌日の内臓ケアに効くツボ

ツボの名前:足三里
場所:膝の外側で膝下のくぼみから指4本分下。丁度、すねの前面で脛骨筋上にあります。
ケア方法:手の親指と人差し指で90度の角度をつくり、椅子に腰掛けて90度にした手を膝にはめ込む形で置いた時に中指の当たる辺りが足三里。ここをプッシュしましょう。食欲不振や胃痛にも効果的。

●二日酔いに効くツボ

ツボの名前:期門(きもん)
場所:両乳頭の真下と肋骨が交わるところ。
ケア方法:「期門」に中指、薬指をあて、そのまま上体を前に倒して指を挟みこむようにして刺激します。消化機能を高めます。

ツボの名前:太衝(たいしょう)
場所:足の親指と人差し指の間の線上で親指と人差し指の骨が合うところ。肝の異常な昂りを抑え、胃の機能を改善し、消化機能を高めます。

●内臓が疲れているなと感じるときのツボ

ツボの名前:脾愈(ひゆ)、胃愈(いゆ)
場所:背中の胃の裏に当たる背骨の両側辺り、親指幅1~2本分。丁度、仰向けの状態で背中に両腕をまわしてあたるあたりです。
ケア方法:仰向けになって、硬式用のテニスボールやゴルフボールで「脾愈&胃愈」を刺激するのも効果的です。

Q. ツボの場所がイマイチわからないのですが…。

ツボの大きさは、500円玉くらいの大きさあると言われます。もちろん、ズバリというポイントがあるのですが、痛い、気持ちイイのほかに、押すと痛かったり過敏な反応を感じたり、しこりがあるように感じる場所、また皮膚がピンと張っているような気がしたり、くぼみがあるように感じる場所に位置します。あんまり神経質に考え過ぎずに、圧してみて痛いところやくぼみがあるところを刺激してみることから始めるといいと思います。

Q. 内臓ケアに効果的なツボが集中しているパーツなどはありますか?

おへそ周りには、デトックスに効果的なツボが集中しているので、じんわりと刺激してみてください。例えば、おへそより親指幅2本分下、更に左右外側に同じく親指2本分幅のところにある大巨(だいこ)は、腹部の張りを解消し、体内の余分な水分を出すのに効果的です。

その他、代謝アップや胃の働きを改善する、みぞおちあたりの「中脘(ちゅうかん)」、顔のむくみや胃のちゃぷちゃぷ感(胃内停水)を改善し水分代謝に効果的な「水分」や、便秘にいい「天枢(てんすう)」、脂肪燃焼のための「気海」(きかい)、むくみ解消の「関元」(かんげん)などがあります。

Q. ツボのケアをするときに気をつけるべきことは何ですか?

まずは、冷たい手ではなく、手をこするなどして温かい手で行ってください。ツボだけを刺激するのではなく、ツボ周りのお肉や筋肉をほぐすことで、より気血の巡りも改善されていくので、こまめに行いましょう。親指などで圧すのがセルフケアの場合はやりやすいと思いますが、「気持ちいい」よりも強めの「イタ気持ちいい」くらいの圧で行うのが効果的です。また、1圧し 6秒×6~10回くらいがケアの目安です。

ただし、飲食・飲酒後1時間以内や発熱など体調が普段と違うときはツボのケアはお休みしましょう。また、妊娠中も特に安定期に入る前は避けた方がいいでしょう。
ツボ圧しは自分でできる巡りのいい体づくりのひとつです。美しく健康で、美味しいものを美味しく食べられる体つくりに「ツボ」療法をぜひ役立ててみてくださいね。

illustration: Mana Manali

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ツボ押ししながら保湿ケアしたいなら
取材協力 余慶尚美(よけいなおみ) 美巡セラピスト・漢方美容家

「美巡(びじゅん)」をコンセプトにて、「巡り」のスペシャリストとして、美容・健康に関わる分野で幅広く活躍中。美巡和漢サロンを白金高輪にて主宰。国際薬膳師・漢方養生指導士/毛髪診断士。