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フランス便り

日本と全然違う!? パリジェンヌのNewYearの過ごし方

記事に関するキーワード:ライフスタイル フランス パリ 1月

ボンジュール!
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。パリでは、会う人ごとに「ボナネ=BONNE ANNEÉ(良い年)」と明るく挨拶を交わします。

先月、お話しましたが、お正月は日本の伝統行事の中でもっとも格式が高く、一番大きな行事ですよね。フランスではクリスマスの時がそれに当たります。日本とフランスではお正月とクリスマスの過ごし方がまるで逆。こちらの新年は、日本のどんちゃん騒ぎのクリスマス、と思っていただければわかるかと思います。

フランスのNew Yearはとにかく派手

日本からたくさんの方々が新年のパリに旅行でいらっしゃると、「あれ? まだクリスマスの飾りをつけているのですか?」と必ずと言っていいほど聞かれます。パリのシャンゼリゼや高級ブティック街のイルミネーションは、12月中旬から翌年の1月中旬くらいまで、至るところでキラキラしています。クリスマスツリーも新年になってもまだ飾っているんですよ。

新年のカウントダウンで有名なシャンゼリゼ大道りには、8車線ある通りが毎年人であふれかえっているみたいですよ。……「みたい」としか言えないのは、長年パリに住んでいながら一度もカウントダウンのイベントに行ったことがないから(笑)。行きたいのですが、フランス人の友人たちに「ダメ!」と止められます。実は、あの場所にはパリジャンやパリジェンヌはほとんどいません。じゃ、「誰?」って話なのですが、観光客とパリ郊外からやってくるヤンチャ君たちと…スリだそうです。

みんな、シャンパンボトルとグラスを持って集まります。「3、2、1」のカウントダウンと「ボナネ!!」の掛け声に合わせ、ポンポンとシャンパンが開く良い音が聞こえます。隣にいる知らない人たちと頬をあわせるご挨拶。皆さん、ご機嫌です。

その直後、今度はシャンパンボトルが空を舞い地面にガッチャン! 中国のお祝い事には欠かせない爆竹がバンバンと鳴り響きます。人の悲鳴と、救急車、スリと警官の格闘……毎年、けが人が出るほど。バッグや洋服に爆竹を入れられ、慌てている時にお財布をすられた、なんて話はこの時期ならでは。

パリジャンたちは、友達の家でパーティーです。シャンパンにエビ、牡蠣、蟹。大きなお肉の塊など、先月からまだまだ飽食の時期が続きます。

フランスの昔ならではの伝統行事

年越しには、ロマンティックな伝統行事があります。
「宿り木(GUI/ギー)」。冬になっても葉が落ちず、パールのような白い実をつけている木です。もともとはケルトの風習だそうですが、日付が変わる0時に宿り木の下でキスをすると、その年は幸せに過ごせるとの言い伝えです。今ではこの習慣も昔に比べ、薄れてきてしまっていますが……。

もうひとつ、昔ならではの伝統行事を挙げるとすると「ガレットドロア(王様のお菓子)」ですかね。バターたっぷりのパイ生地にあんこのようなアーモンドクリームが入ったお菓子を食べる習慣です。困ったことに、これが美味しすぎるのです。

話は、さかのぼること2016年前。12月24日にキリストが生まれ、不思議な星の導きで東から3人の王様(賢者とも言われてます)が、生誕のお祝いに貴重なお土産を持って来た……という話が由来とか。このお菓子を食べる日は1月6日とされていますが、各国の王様が外国から急いで来ても、2週間近くかかったのでしょう。この焼き菓子、見かけは地味なのですが、ゲームの要素があって面白いのです。

購入すると紙でできた王冠がついて来ます。食べるときは、オーブンでちょっと温めます。お菓子の中には、「フェーブ」という陶製や金属の可愛いおまけが入っています。フェーブとは空豆を意味し、その形が胎児の姿に似ているので“吉兆の物”とされていました。

お菓子を切り分ける前、集まっている中で最年少者がテーブルの下に入ります。カットすると「これは?」と聞きます。下にいる人が「それは、誰さん」と指名してお菓子を渡していきます。みんな、自分の取り分にフェーブが入っているかいないかドキドキ! お菓子の中にフェーブが入っていた人が王様! 冠をかぶります。この一年良いことがあるといわれているんですよ。

このお菓子は1月上旬だけの季節限定のお菓子なので、そのあとの集まりではガレットとシャンパンで盛り上がります。フランスの老若男女みんなで楽しむのは、楽しい国民性です。占いや縁起担ぎが大好きなフランス人友人は「今年、勝負の年なのに何回食べてもフェーブが当たらない」と嘆くので、「小さいサイズのお菓子を買って、一人で全部食べれば絶対に当たるわよ」とアドバイスしてあげました。

2週間後、彼女に会うと可愛いフェーブを細い革ひもで巻いてネックレスにしていました。「パリジェンヌは小粋なオシャレさんね」と言うと、「やっと当たったわ。でも、あなたのせいで4キロ太っちゃったんだから」と小言を言われる始末(苦笑)。これもまた、パリジェンヌらしいですね。今年も、こういう仲間たち仲良く過ごせたらと思っています。

皆さまも良い年でありますように!!

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取材協力 YOLLIKO SAITO 写真家

日本大学芸術学部写真学科卒業。広告制作会社勤務後フリーになる。現在、パリを基点としてヨーロッパ、アフリカなどで活躍。日本の女性誌、書籍、広告の他にアート作品の写真展をパリ、ベルリン、銀座で定期的に開催。ビオ、自然食、自然治療にも関心が強く、自他ともに認める「健康マニア」。自宅で栽培しているオーガニックハーブを使った料理をもてなしたり、ナチュラル・オーガニックコスメなどの美容情報にも精通。

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