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フランス便り

パリジェンヌにも変化の兆し! フランスUVケア事情

始まりました夏のパリ! 6月の最終週、世界のイケメン達が集まるメンズコレクションが終わり、7月の第1週目は、オートクチュールのファッションショーがパリの各所で開催されます。会場のファーストラインには、世界中で有名な女優やモード誌の名物編集長と一緒に、日やけした肌に白い麻の装いの上顧客マダム達の姿が。彼女たちは、すでにバカンスに出ていて、ショーのために一度パリに戻ってきて、またバカンス地に戻る…という優雅な方々。もちろん、こういうケースは稀なわけで、普通の人達はエッフェル塔に花火があがる7月14日の”パリ祭”前後からどんどんバカンスに出発します。

パリっ子もUVケアをする時代!?

ただ、今でも日当たりの良いカフェには女性たちがずらり。

長いバカンスに出る前は、友人達とカフェのテラスで「どこに行くの?」「いつ帰ってくるの?」とご挨拶で賑やか。以前は、みんなブロンズ肌になるほど、日やけしていましたが、この頃になって“日やけは美容に悪い!”とわかってきたようです。

遅いですね、日本の皆さんからすれば「今頃?」とお思いでしょう。フランスは「美の大国」といわれていますが、私からすれば日本人女性の方がはるかに美に敏感で知識が豊富。

こちらのマダム達の撮影をすると、日本の同年代の女性に比べてシワが深いのです。若いときから毎年恒例、当たり前のようにしていた日やけ。夏ばかりでなく、冬はスキーでも日やけ。肌を酷使しています。無理もないですよね。

美白化粧品なんてパリにはない!

フランス、いやヨーロッパの有名化粧品ブランドに、美白商品が無いことをご存知ですか? 無いんですよ、本当に。パリジェンヌにとって、陶器のようになめらかで白い肌は、“健康的でない”マイナスイメージだとのこと。つまり、日本人が憧れる白肌は自慢の要素にはならないのです。逆に、小麦色に焼けている方が、ヘルシーでバカンスに行ける時間もお金も余裕のある証でもあるんです。

「白人と日本人の肌は違う」とメーキャップアーティストは口々に言いますが、彼女たちにもシミやそばかすがあります。彼女たちは、コンシーラでごまかす、またはそのまま放置です。もともと、パリジェンヌはファンデーションを塗りません。メークといえば、マスカラとリップぐらいです。だから、日本女性のように日やけ止め効果のあるメーキャップベースをつけて、ファンデーションにお粉、もちろん基礎化粧品は美白ラインなどといった丁寧なケアなんかしていません。

日本女性、すばらしいです! 年を重ねると白人女性と日本人の肌は一目瞭然。見た目にもわかるほど差があらわれます。

パリジェンヌにも変化が?

最近では、パリジェンヌの間でも日やけが原因で皮膚ガンになる人が増えているので、とくに子供には日やけ止めを使うようになりました。南仏生まれのスキンケアブランド「アべンヌ」からは、子供用UVケアアイテムに可愛いおまけがついて販売されています。過敏肌の友人はこの子供用アイテムだと肌トラブルもない、と愛用しています。

フランス人は、みんなと同じことが嫌いな人たち。3人の女の子達に「日やけ止めはどうしているの?」と聞くと

顔だけ塗る、
何もしない、
顔はSPF30、体はSPF50のアイテムを使う

と3者3様でした。

さらに、「シミができたら、どうするの?」と聞くと、

レーザーで焼く、
シミが見えない位にもっと黒く焼く

と日本人には考えられないような答えが返ってきました。フランス人、恐るべし。個性的な人種ですよね。

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取材協力 YOLLIKO SAITO 写真家

日本大学芸術学部写真学科卒業。広告制作会社勤務後フリーになる。現在、パリを基点としてヨーロッパ、アフリカなどで活躍。日本の女性誌、書籍、広告の他にアート作品の写真展をパリ、ベルリン、銀座で定期的に開催。ビオ、自然食、自然治療にも関心が強く、自他ともに認める「健康マニア」。自宅で栽培しているオーガニックハーブを使った料理をもてなしたり、ナチュラル・オーガニックコスメなどの美容情報にも精通。