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フランス便り

秋の美食祭り! パリジェンヌも気にしないローカロリーレシピ

秋ですね。枯れ葉の絨毯が綺麗なパリです。森の中ではその枯れ葉に隠れてパリジェンヌが大好きな美味しい食材がぬくぬくと現れてきています。

それは“キノコ”です。 皆さま、ご存知の通りキノコは、ローカロリーで繊維質が豊富。腸内環境を整えると代謝が高まり、太りにくい体質になるらしいです。しかも、肌荒れを防ぐビタミンB群も含んでいるため、エイジングケアも期待できるといわれています。
こんな身近なところにスーパーフードがあったのでした。

身近なスーパーフード、キノコのあれこれ

ここパリにも、この時期になるといろいろな形や色のキノコが市場に出てきます。高いキノコといえば、「セップ茸」(日本では「ポルチーニ茸」といったほうがわかりやすいかもしれません)。松茸ほど高くありませんが、気軽にたくさん……は買えないキノコです。

次に「SHIITAKE(しいたけ)」。日本ではおなじみですが、しいたけはパリジェンヌにとっては新しいキノコになります。というのも、20年ほど前のパリには、しいたけを買える場所なんてありませんでしたから。だからある日、市場のおじさんが「これは“シイタケ”といって新しいキノコなんだよ」と日本人の私に自慢気に教えてくれたときは、びっくりしました。今では、どこでも生しいたけを見かけるようになりましたし、パリジェンヌも大好きな食材です。

ビオショップには干ししいたけまで揃っています。SHITAKEのヨーロッパ進出は華々しく、日本人である私としては誇らしいです。一度、生しいたけを買ってきて干ししいたけをつくりました。日がよく当たるプランターの上に平たいざるを置いて、重ならないように並べて、干します。そのまま仕事(出張)に出かけたのですが……2日後、帰ってきてびっくり! ざるの中にあったのは、黒いちっちゃな塊。直径4〜5センチあったしいたけが、何と1センチ程度の塊になってしまいました。あまりにも小さすぎでしょ、とツッコミを入れたくなりました。

干ししいたけにはビタミンDが豊富に含まれています。ビタミンDは、体内にカルシウムを取り込む際に必要なビタミン。生しいたけにはありませんが、干ししいたけにはあります。ただし、太陽光線で乾燥した物に限られます。だから私は、買った干ししいたけでも一度、太陽光線にもう一度当ててから使用することにしています。というのは、ほとんどの干ししいたけは温風乾燥なので、ビタミンDが含まれていないからです。

ヘルシー、美味しいキノコレシピ!

スペイン側のキノコの炒め物

先日、数日スペイン側のバスクに行ってきました。「セップ」という有名なバーで4種類のキノコ炒めをがっつり食べてきました。お皿の真ん中にある卵黄を潰してキノコと絡ませてペロリ。秋の味が広がりました。

フランス側のキノコの炒め物

パリに帰ってきて今度は、フランス側のバスクレストランへ行くことになりました。なんと同じ4種類のキノコの炒め物があり、食べ比べしてみることに。同じバスク料理でも、フランス側の方はクリームとバターたっぷりの高カロリーでした。

パリのキノコを使った簡単なレシピを2つ紹介します。

●しいたけの炊き込みごはん

(1)干ししいたけを水で戻す
(2)玄米を圧力鍋で炊き始める(水の量は普通よりも少なめに)
(3)ジロール茸(日本ではアンズタケ)と干ししいたけ、にんじんを小口切にする
(4)キノコがかぶらないぐらいの戻し水を入れて加熱。どんどんきのこから水が出てきます
(5)(4)に醤油、日本酒を入れて煮詰めます。キノコにお醤油の味がしみるくらい煮詰めてください。
(6)加熱している玄米に煮汁ごと入れて炊き上げます。

しいたけから旨味成分が出ているので、調味料で味を整えなくても十分に美味しいです。

●きのこ簡単スープ

(1)ニンニクと玉ねぎを細切りにし、そこに水を入れる(普通なら油で炒めてから水を入れるのですが、ローカロリーであっさりと仕上げるため炒めません)
(2)シャンピニョンパリブラウン(ブラウンマッシュルーム)とプルーロット(ヒラタケ)をどっさり入れて火をかける。
(3)食材に火が通ったら、塩コショウを。お好みでオリーブオイルをたらしてもOK。

今回は洋風にしたかったので、ローズマリーとイタリアンパセリを。アクセントでオレンジの皮をちょっと足しました。また、ハーブを入れずにしょうゆ味にすれば日本風、お豆腐やネギ、ゴマ油を加えると中華風になりますよ。

来週は、友人たちとパリの郊外にセップ狩りに行ってきます。採ったキノコは、まず薬局に持って行きます。キノコと薬品をぶつぶつ交換するわけではありません。薬剤師さんが、毒キノコがないかを調べてくれるのです。
フランスの薬局は、この時期“キノコ薬局”になるのです。

ヘルシーで美味しいキノコに舌鼓。日本の皆さんもキノコを食べてキレイになりましょう!

ピックアップアイテム
秋の乾燥に負けないために
取材協力 YOLLIKO SAITO 写真家

日本大学芸術学部写真学科卒業。広告制作会社勤務後フリーになる。現在、パリを基点としてヨーロッパ、アフリカなどで活躍。日本の女性誌、書籍、広告の他にアート作品の写真展をパリ、ベルリン、銀座で定期的に開催。ビオ、自然食、自然治療にも関心が強く、自他ともに認める「健康マニア」。自宅で栽培しているオーガニックハーブを使った料理をもてなしたり、ナチュラル・オーガニックコスメなどの美容情報にも精通。