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フランス便り

フランス人と日本人、どっちがチョコ好き? フランス人のチョコレート事情

2月。それは、チョコレートの月! そう、バレンタインデー。日本では、女性から男性にチョコレートをプレゼントするそうですね。最近では義理チョコならぬ、友チョコやご褒美チョコなんていうのもあるとか? フランスではそんなことはないですね〜。聞いたこともないです。14日はディナーへ行き、男性からプレゼントをいただきます。お花やアクセサリーなどがもっとも多く、少数派の意見で挙がってきたのは下着! なんていう男性もいました。
話が少し横路に入ってしまいましたので、元に戻しましょう。今日はチョコレートのお話をしようと思います。

先日、東京のサロンドショコラに行ってきたフランス人が驚いていました。
「朝の7時から入場口に100人ぐらいの長蛇の列ができていた。日本人って僕らと同じようにチョコレートが大好きなんだね!」と。

何だかとても嬉しそうに語る彼を目の前に、
「日本ではバレンタインデー=チョコレートというイメージが強いため、1月終わりからチョコレートの催事やイベントが重なり、そのタイミングに当たったというだけで、別にチョコレートが大好きってわけではないと思うんだけど……」
とは言えませんでした(笑)。
でも、「もしかして、もしかしたら?」 日本人だってフランス人に負けず劣らず、チョコレート好きなのかもしれません。

フランス人のチョコレート好きはハンパじゃない?!

少し調べてみたのですが、日本人のチョコレート摂取量は一人あたり年間約1.9kg。それに比べ、フランス人は約7kgというから……その差は歴然です。先ほどの「日本人もチョコレート好きなんだね」という友人の言葉に、「そうなのよ〜」と同意できなかった私の気持ち、何となくわかっていただけるような……。

ちなみに、板チョコの容量(1枚あたり)も2国間で異なります。日本は平均58g。フランスは100g。ちょっと重いなぁと思うと、180gはありますから(笑)。日本人のチョコレート摂取量は年間1.9kgですよね。1枚を58gで計算すると、日本人一人あたりの年間消費量は板チョコ約34枚。フランス人は、なんと121枚にもなります!

フランスでは老若男女、みんながチョコ好き!

フランス人は老若男女、みんながチョコレート大好き! 皆さんも知っている「メゾンドショコラ」や「Debauve & Gallais」はチョコレート界の大御所&老舗ブランドとしても有名。高級チョコレートはギフトや手土産などで活用されることが多いです。
チョコレートの売り上げについて調べてみたのですが、日本は2月(もうこれは言わずと知れていますが)。一方、フランス始めヨーロッパ全域では、4月と12月(復活祭とクリスマス)です。
チョコレートは、いろいろなシーンで活躍します。私も撮影で初めてお伺いするお宅へのお土産は、有名チョコラティエのチョコレートの詰め合わせと決めています。実際、お持ちして喜ばない方はいませんからね。

しかし、だからといっていつも高級チョコレートを食べているわけではありません。普段はスーパーマーケットで購入しています。が、チョコレート好きのフランス人のことです。チョコレートが売られているスペースは一見の価値あり(笑)。棚から棚まで何メートルあるでしょう、それも上から下まで何十種類、いや、百に近い種類の板チョコが埋め尽くされているのです。それはまるで板チョコの壁のよう! 不思議なことにそのなかから自分のお気に入りのチョコレートを見つけてしまうのがフランス人のスゴいところ。

そういう私もお気に入りのチョコレートが2つあります。自然食品コーナーで売っている「moulin des moines 」。 お坊さんの(コーヒー)ミルと言うブランドです(フランスではお坊さんもチョコレートを食べるのですね)。 白砂糖を使用していないので体にも良いと思います。

もうひとつは日本未上陸の「laurent Duchene」というチョコレート屋さんです。お菓子とチョコレート、パンをつくっているお店で、クロワッサン大会で賞を獲りました。ここのチョコプラリネのクロワッサンは絶品ですよ。

フランス人の代表的なチョコおやつは……?

16時、フランスではおやつの時間です。学校が終わり、ベビーシッターやお母さんにお迎えに来てもらった子供たちは、お家に帰る前にパン屋さんに寄ります。パンオショコラを買ってもらい、歩きながら食べています。バゲットに板チョコを挟むおやつもあります。「え? それがおやつなの?」とお思いでしょうが、パリに来たらぜひ、お試しを! バゲットの塩味にチョコレート……この絶妙なバランスが良いんです。

寒い時期は、カフェに入って熱いホットチョコレートを頼む人が多いです。フランス語では「チョコラショー」と言います。パリのチョコレート屋さんではお店でホットチョコレートを飲めるお店がありますが、チョコレートを溶かしてミルクと混ぜるだけのシンプルなレシピ。しかし、日本のホットチョコレートに比べ、ものすごく濃くつくられているので要注意です(最初、この味に慣れなくて、お湯を足してもらったなんてこともありました)。フランス人は朝ごはんからチョコラショーを飲む人たちもいます。チョコレート好きの国民ならではですね。

最後にチョコレートネタをひとつ。ダークチョコレートの中には美肌の強い味方である抗酸化効果が、緑茶の5倍も含まれているそうです。日本女性の皆さん! 男性にチョコレートをプレゼントする暇はありません! ご自身で召し上がってください。プレゼントは、男性からいただきましょう!

ピックアップアイテム
チョコと一緒にプレゼントしてみては?
取材協力 YOLLIKO SAITO 写真家

日本大学芸術学部写真学科卒業。広告制作会社勤務後フリーになる。現在、パリを基点としてヨーロッパ、アフリカなどで活躍。日本の女性誌、書籍、広告の他にアート作品の写真展をパリ、ベルリン、銀座で定期的に開催。ビオ、自然食、自然治療にも関心が強く、自他ともに認める「健康マニア」。自宅で栽培しているオーガニックハーブを使った料理をもてなしたり、ナチュラル・オーガニックコスメなどの美容情報にも精通。