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フランス便り

パリジェンヌのクローゼット事情

Bonjour!
やっと、やっと光も明るくなり、小さな黄色のミモザの香りが、パリに春を運んできてくれていますが、暖房はまだまだ切れないパリです。
春は、フランスの大掃除シーズン。タンスの中の衣類を整理しなくては!と、力任せに引き出しへTシャツを押し込んだら、タンスの裏側の板を剥がしてしまいました。それくらいヘビーな体ですから(笑)、せめて身の回りは、すっきり軽やかにしたいものです。

そんなところへ、日本から ”フランス人って本当に10着しかお洋服を持っていないのですか?”と質問が来ました。よく聞かれますが、その度に「いいえ。そんなことはありません」と答えます。
しかし、私の周りのおしゃれさん達のお宅は、すっきり。急にお邪魔してもいつも綺麗に片付いています。パリのお宅に多いのは、壁面収納です。

今回お邪魔した2軒の家は、どちらも3メートル以上もある天井までの壁面収納でした。どちらのパリジェンヌもおしゃれさんなのですが、収納は、ここだけ?間に合う?と反対に思いました。そこで、図々しくも着まわしを見せて頂きました。
パリジェンヌは、シャツとパンツのスタイルが大好きです。これが、基本アイテム。

デニムを主体とする彼女は、「この組み合わせで月曜日から金曜日まで会社に行けるよ」と教えてくれました。ボーダーシャツや、シャツと同系色のスカーフの合わせ技、流石です。

もうお一人のマダムは、黒かグレーのボトムしか穿かない主義。ダンガリーシャツからレーシーなブラウスまでブラックパンツ一本で合わせます。カジュアルなグレーのパンツには、エレガントなブラウスをコーディネート。

お二人とも自分に似合うアイテム、色を知っているので、物を厳選しそれ以外は買わないというのが共通です。それがおしゃれの秘訣かもしれません。

近頃は、マダムの撮影が多く、素敵なマダム達にお目にかかっていますが、パリのマダム達は、ご自分のライフスタイルを確立して毎日を楽しんでいます。フランス人だって生きていれば、色々な出来事があります。しかし、その度に「私はこう対応してきた」と堂々と明るく言い切れるのです。そんなマダム達の着こなしは、潔くカッコイイ!

いつか、こんなパリマダムになれるように、まずは、クローゼットとワードローブを見直して、自分なりのおしゃれ哲学を整えてみようと思います。

ピックアップアイテム
おしゃれはパーツに宿る
取材協力 YOLLIKO SAITO 写真家

日本大学芸術学部写真学科卒業。広告制作会社勤務後フリーになる。現在、パリを基点としてヨーロッパ、アフリカなどで活躍。日本の女性誌、書籍、広告の他にアート作品の写真展をパリ、ベルリン、銀座で定期的に開催。ビオ、自然食、自然治療にも関心が強く、自他ともに認める「健康マニア」。自宅で栽培しているオーガニックハーブを使った料理をもてなしたり、ナチュラル・オーガニックコスメなどの美容情報にも精通。