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フランス便り

見た目も味も文句なし! 美食先進国フランスの「とっておきグルメ」

あっと言う間にまたパリコレの時期になりました。また美味しい食材が、どんどん店頭に並ぶ季節でもあります。健康&ビューティに興味があるパリジャン達に、「今、流行っているフードって?」と聞くと、「グルテンフリー」と口を揃えて答えます。

以前は、限られた自然食品店でしか売られていなかったグルテンフリーの製品ですが、今では、スーパーで手軽に買えるようになりました。どうやら一過性の流行でなく、食文化として根づいてきた様子。
専門のレストランやケーキ屋さんも増えてきました。

フランスの食文化に根づいた「グルテンフリー」

日本では近年、グルテンフリーというと“ダイエット”と結びつける人が多いようですが、パリではアレルギー対策として始まりました。
以前は少なかったらしいですが、グルテン製品を摂取すると過剰反応して、腹痛、下痢、湿疹などのアレルギー反応を起こす人たちが増えているのだとか。現代病のひとつとも言われているようで、1900年代半ばから比べてみると、グルテンアレルギーの人は約4倍にもなっているそうです。

アレルギーは現代社会の深刻な問題

なぜ、こんなに増えているのでしょうか?
一節によると「遺伝」とも言われていますが、おかしな話。昔から、主食がパンの人たちが、今、パンを食べるとアレルギーになるというのは、どうも納得が…。

調べてみたところ、そこには現代社会の深刻な問題があるようで…。
一説によると大企業が大量生産のため、小麦などの品種改良を繰り返したのが問題とも言われています。経済的には“良い小麦”を生産することができたのですが、人間にとっては、“お腹の中で消化し難い小麦”になってしまったそう。

グルテンフリーのピザ。とても美味しいんです。

このアレルギーで悩んでいる私の友人たちは、玄米にお味噌汁、野菜、豆腐など、日本食にスイッチしたそうです。フランス料理に比べて、日本食はあまりグルテンを使わないのですね。揚げものをするときには、米粉などを使っているそう。
その彼女、グルテンフリーの食生活に変えてから体調が良くなり、さらに肌の調子も良くなったそうです。私も肌荒れで悩んだとき、集中的にグルテンフリーにしました。肌は落ち着きました(が、体重は……?)

自分の体は自分で守らなくてはならない時代。加工食品は使用せずに、生産者がみえ、安心・安全な食材を使ってごはんをつくることの大切さを感じますね。

パリっ子からも大人気! グルテンフリー簡単レシピ

関心はあるけど、つくるのが面倒……と思われる人に簡単レシピをひとつ。友人からは、“ヨリちゃんのエアーケーキ”と呼ばれています。小麦粉、卵、バターを使わず、しかも、とっても簡単です。
今回は、軽い昼食にもなる塩味のケーキをお教えします。
もともと、こちらの食前酒の際におつまみで頂くcake salè(ケーキサレ)の改良版です。

【材料&作り方】
米粉2カップ
トウモロコシ粉   1カップ
オリーブオイル   1カップ
重曹小さじ   1/2
塩・こしょう   少々

材料を全てボールに入れてよく混ぜ合わせます。この生地にお好みの野菜を間に重ねていき、ミルフィーユ状態へ。一番上には自然食品屋さんで売っている豆腐のチーズやお好みでハーブを乗せてオーブンへ。焼き加減はお好みですが、180度でだいたい45分くらいが目安。

いつもは、オリーブをトッピングしていますが、今回はイタリアで買ってきた乾燥トマトをちぎって飾ってみました。オリーブオイルの代わりに、クセのないオイル。塩こしょうの代わりに甘味料を加え、ドライレーズンや木の実をいれると甘いケーキに変身!
たったボール1つで簡単ケーキ。ぜひ、お試しを!

●グルテンフリーのレストラン
「Noglu」
16 passage panoramas75002 paris tell 01-4026-4124

●グルテンフリーのお菓子屋さん
「Helmut Newcake」
36 rue Bichat 75010 paris tell 09-8259-0039

取材協力 YOLLIKO SAITO 写真家

日本大学芸術学部写真学科卒業。広告制作会社勤務後フリーになる。現在、パリを基点としてヨーロッパ、アフリカなどで活躍。日本の女性誌、書籍、広告の他にアート作品の写真展をパリ、ベルリン、銀座で定期的に開催。ビオ、自然食、自然治療にも関心が強く、自他ともに認める「健康マニア」。自宅で栽培しているオーガニックハーブを使った料理をもてなしたり、ナチュラル・オーガニックコスメなどの美容情報にも精通。