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季節と肌

衣替えシーズン到来! カビ&ニオイを寄せ付けない究極の衣替えテクニック

6月と言えば衣替え。秋冬とは違い、梅雨時の衣替えは、クローゼットや押し入れの湿度が急上昇するため、カビやニオイの発生を防ぐちょっとしたテクニックが必要です。家事アドバイザーの毎田祥子さんが教える、湿気に負けないとっておきの衣替えテクニックで、梅雨の憂鬱ごとすっきり吹き飛ばしてしまいましょう!

カビやニオイの発生を左右するのは「室温・湿度・空気の動き」

そもそもカビの菌は、クローゼットや押し入れに限らず、空気中の至るところに浮遊しているもの。しかし、梅雨時に“目に見えるカビ”になってしまうのは、カビが発生しやすい条件が揃っているから。

「カビが発生しやすくなるのは、おもに水分、ほこりや汚れなどの栄養、室温20℃前後、湿度60%以上といった条件が揃った時。クローゼットの中や押し入れは閉め切っていることが多いので、空気の動きがなく、こうした影響を受けやすくなります」と毎田さん。

また、ニオイは湿度や温度が高まるほど嗅覚として感知されやすいため、押し入れやクローゼット内の室温&湿度コントロールが必須だそう。

「湿度が低い、つまり空気中の水の分子が少ない時期は、ニオイ成分があちこちへ分散しやすいのですが、逆に湿度が高く空気中の水の分子が多くなる時期は、ニオイ分子が込み合って留まりやすく、ニオイを強く感じやすくなります。また、温度が高いとニオイ分子も揮発しやすくなるため、梅雨時にはそれまで下のほうに溜まっていたニオイ成分や衣類そのもののニオイが、クローゼットや押し入れの中で浮き上がって、さらに臭いやすくなります」

カビやニオイを寄せ付けない! 梅雨の衣替え3か条

カビやニオイから大切な衣類を守るには、下の3つのポイントを押さえるのが基本。

①汚れをとる

「汚れとは、衣類に付着しているものから、床や棚、壁にたまるホコリやゴミなどさまざま。前述のとおり、汚れはカビやニオイ発生の原因となるので、衣替え時にはクローゼットや押し入れの中の掃除もセットで行うようにしておくといいでしょう」

②湿気をためない

「収納場所を閉め切ったままにしておかないことが何よりも大事。晴れた風のある日は扉や引き出しを開放して、中の澱んだ空気の入れ替えを」

③空気の動きを作る

「晴れた日に空気の入れ替えができなかった時には、クローゼットや押し入れの中に扇風機で直接風を送り込んだり、除湿機を中に置いて扉を閉めて除湿を。除湿剤やスノコなどを使うのもおすすめです」

防虫剤は上に、除湿剤は下に。正しい置き方で効果がUP!

衣類と一緒に入れる除湿剤や防虫剤。とりあえず入れておけば安心・・・と思ってしまいがちですが、置き方を間違えると効果が半減。大切な衣類を守りきれなくなる可能性も。

「防虫剤の成分と湿気は空気より重いので、下へ降りていきます。だから衣類全体にいきわたらせたい防虫剤は上に、湿気をキャッチしたい除湿剤は下へ置くのが鉄則。また、カビが生えやすい皮革製品の近くに除湿剤を置くとか、シルクやウール、綿麻など虫が好む自然素材の近くに防虫剤というピンポイントの工夫も有効です」(毎田さん)

洗濯不足、生乾き、ぎゅうぎゅう詰めも、カビ・ニオイを発生させる原因に

衣類の汚れをきちんと落としておく、しっかり乾かしておくなど、衣類のしまい方にも、カビやニオイを発生させないための工夫が必要。微妙に湿気を帯びているなら、室内の乾いた場所に2〜3日干してからしまいましょう。

「収納するときは、湿気や虫、シワの付きやすい自然素材は上の方へ、その心配の少ない化学繊維は下の方へ。引き出しならその中で上下を考えます。また、カビやすい皮革製品は上へ置き、そして皮革同士がくっつかないようカバーをするなどの配慮を。くっつき厳禁は靴やバッグも一緒です。それから、圧縮袋などの袋詰めにするなら別ですが、詰め込み過ぎは湿気がこもり、カビやニオイ発生のもと。ぎゅうぎゅう入れすぎないように気をつけて」

衣替え時にカビを発見したらエタノール除菌&徹底乾燥で対処

いざ衣替えをしようと押し入れをのぞいたらカビを発見! ぷ〜んと鼻をつくニオイまで…このままじゃ衣類をしまえない、そんな時はどうすれば?

「壁や床、天井が見える状態にして、エタノールや除菌効果のあるシートで拭きとりを。エタノールは蒸発するので仕上げ拭きの必要がなく一石二鳥です。拭き終わったあと、すぐに衣類をしまうのはNG。扇風機や除湿器を使うなどして、しっかり乾燥させてから中身を戻します。拭いている間に、中身も干して乾燥させたり、臭うものは拭いて乾かしましょう。手軽に使える衣類用の消臭スプレーは汚れを取るものではないため、一時的な消臭アイテムと考えて」と毎田さん。

衣替えはつい億劫になりがちですが、押し入れやクローゼットの中をきちんと掃除して、きれいに洗った衣類をパーフェクトに収納できると、とっても気持ちが良いもの。じめじめとして憂鬱な季節だからこそ、空気が澱みがちな押し入れの中からリフレッシュ。気分爽快、ハッピーに梅雨を乗り切りましょう!

ピックアップアイテム
衣替えのあとは、しっかり手を保湿
取材協力 毎田祥子 All About「家事」ガイド

家事アドバイザー、ライター&コラムニスト。企業広報や生協で生活用品や全国の食品生産者への取材を重ね独立。ハウスクリーニングやハーブ、アロマなどの資格を活かしたmix家事が評判となり、新聞・雑誌・マスコミなど幅広いフィールドで活躍。『ラクしてちゃんとした暮らしができる“朝だけ家事”』など著書多数。