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季節と肌

【アベンヌのふるさと探訪記①】“肌に良い奇跡の水”が湧く!南仏の秘境アベンヌ村へ

アベンヌ ウオーターでおなじみの“アベンヌ” とは、パリから遠く離れた南仏の小さな村・アベンヌ村に湧き出る「アベンヌ温泉水」から名付けられたもの。ここでしか汲みあげることのできないこの特別な水は、“肌に良い奇跡の水”として発見された約270年前から、今も変わることなく世界中から愛され続けています。

そこで今回の素肌カレンダーは、アベンヌのルーツを辿る特別編。アベンヌ製品に秘められた知られざる魅力を、現地取材でたっぷりお届けします。

村がまるごと環境保護区!手付かずの自然が残る「アベンヌ村」

東京からパリまで12時間、そして国内線に乗り継ぎモンペリエまで2時間、そこからさらに車に揺られながら2時間ほど山道を進んだところに、雄大な山々と清らかなオルブ川に囲まれた小さな村「アベンヌ」はありました。南仏特有の抜けるような青空に、キラキラと眩しい太陽、澄みきったおいしい空気。そして何より圧倒されるのは、見渡す限りの緑・緑・緑!

それもそのはず、アベンヌ村はフランスで環境保護区として指定されているオート=ラングドック地方自然公園の中心部、オーブ渓谷のなかに位置しています。2万6000ヘクタールという広大な土地のなかにある山、川、渓谷、森林は、すべて手付かずの自然が残されており、そしてそのなかにすっぽりとおさまっているアベンヌ村もまた、昔と変わらぬ佇まいのまま大切に保護されているんです。村がまるごと自然保護区というのはとても珍しく、こんなに美しい豊かな自然に恵まれた環境はなかなかありません。アベンヌ温泉水が“肌に良い奇跡の水”と呼ばれる秘密が、さっそく見えてきたような気がしますね。

ナポレオンも惚れ込んだ!?「アベンヌ温泉水」の魅力

アベンヌ温泉水が発見されたのは1736年のこと。当時アベンヌ村の領主だったロコゼル侯爵の愛馬が皮膚疾患にかかり、ほかの馬への伝染を恐れ野に放ったところ、アベンヌ温泉水に浸かったり飲んだりすることで回復したことがきっかけでした。湿疹にかかっていた愛馬にふさふさとした毛並みが戻り、侯爵は「人間にも効能があるのでは」と思い立ち、2つの小さな共同浴槽を作りました。小さな村の小さな温泉施設は、その類まれな治療効果で少しずつ知られることとなり、ついには皇帝ナポレオンの耳にも届くようになったという話も。ナポレオンは戦による火傷あとなど皮膚疾患で悩む兵士のため治療施設の建設を計画しましたが、囚われの身になってしまい実現には至らなかったという伝説が残っています。

1871年には、シカゴで起きた大火災で負傷した患者の治療のために、アベンヌ温泉水が初めてボトルづめされ国外へ輸出されました。その頃からアベンヌは世界に少しずつ、その名が知られるようになっていきました。

1874年、ついにアベンヌ温泉水は、単なる湧き水ではなく“治療効果のある水である”とフランス政府に認められることに。フランスでは効能効果が認められないと決して冠することができない「EAU THERMALE(オー テルマル)」の称号を得ることができました。そうして政府のお墨付きをもらったアベンヌは「オー テルマル アベンヌ」として世界へ発展していきます。製品パッケージにも、「Avène」のロゴの上にしっかりと刻まれているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

アベンヌ温泉水に奇跡を呼ぶ!神秘の微生物相「アクアドロミエ」

アベンヌ温泉水が“肌に良い奇跡の水”と呼ばれる秘密——-その答えは、アベンヌ温泉水が生まれ、50年以上かけて地上に湧き上がってくるまでの、壮大な“水の旅”に隠されていました。

アベンヌ温泉水の始まりは、地中海と大西洋で蒸発した水。この水が、アベンヌ村を取り囲む山々に、海のミネラルをたっぷりと含みながら雨となって降り注ぎます。この雨水が地下に浸透し地下水となるエリアを「涵養域」と呼びますが、その範囲はおよそ20〜30㎢。国で自然保護区と定められているエリア内なので、汚染の心配はありません。

そうして生まれた清らかでミネラルたっぷりの雨水は、地表から約5億年前の地層まで、ゆっくりゆっくり、時間をかけて浸透していきます。この5億年前の地層は、マグネシウムを多く含んだ「ドロストーン」と呼ばれる石灰岩層の岩盤。フランスでは比較的見かけるものだそうですが、“5億年モノ”は大変珍しいそう。ここがいかに古代からの自然まで残された特別な土地であるかがよくわかりますね。

この5億年前の地層に浸透していく過程で、雨水はミネラル成分だけでなく、「アクアドロミエ」と呼ばれる微生物相も一緒にもらい受けます。これはその5億年前の地層にしか生息できない特別な存在なのだそうで、炎症やかゆみを抑えるという肌に嬉しい成分を分泌しているのだとか! これは10年に及ぶ研究によってようやく解き明かされた、アベンヌ温泉水発見以来、270年目の大発見でした。

そして、アベンヌ温泉水のもうひとつの特徴が、肌にとって最適とされるミネラルバランスを実現していること。うるおいのもとをつくるカルシウムと、うるおいのもとを角層に運ぶマグネシウムの理想的な割合は2:1。ドロストーンに含まれるカルシウムとマグネシウムの割合が2:1なので、この岩盤を通って溶け出すアベンヌ温泉水も、生まれながらにして理想的なミネラルバランスをもった“肌に良い水”になるのですね。

5億年前の地層からの恵み「アクアドロミエ」と、健やかな肌に最適なミネラルバランス。この2つが溶け合いながら湧き上がる温泉水は、世界中どこを探してもほかにありません。これこそが、アベンヌ温泉水の“奇跡の水”たるゆえんなのです。

第2回へつづく

Text: Naomi Sakai