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季節と肌

【アベンヌのふるさと探訪記②】アベンヌ温泉水のパワーを全身で満喫!「テルマリズムセンター」体験レポート

日本に負けず劣らずの温泉大国フランス。日本では「湯治」という概念はあるものの、心身の癒し目的という意味合いが強く、効果効能はあっても残念ながら保険適用にはなりませんよね。それに比べてフランスでは、アベンヌのように“オー テルマル”のお墨付きがついた温泉水は医薬品と同等の治療効果が期待できると認められているため、温泉水を使った皮膚ケア施設での治療行為は保険でカバーできるのだそう。

そんなふうに、温泉のチカラを生かす治療法が確立されているフランスには、「テルマリズムセンター」と呼ばれる政府お墨付きの温泉水を使った皮膚ケア施設がたくさんあります。その数、なんと105箇所! リウマチや呼吸器疾患など、温泉水によって効果効能や治療法は違いますが、皮膚に特化した治療を行っている施設は2箇所のみ。そのうちのひとつが「アベンヌ テルマリズムセンター」です。

初めて発見された約270年前からずっと、皮膚を健やかに美しくしていきたいという想いにまっすぐ応え続けてきたアベンヌは、世界にも類を見ない皮膚ケアのエキスパートなのです。今回は、そんな「アベンヌ テルマリズムセンター」の魅力に迫ります。

浸かって、浴びて、飲む!「基本治療」プログラムスタート

南仏・アベンヌ村に湧き出るアベンヌ温泉水源泉の真上に建つ「アベンヌ テルマリズムセンター」。ここは、公的にも認められている皮膚ケア専門の施設で、世界中からアトピーや乾癬などに悩む人々が毎年3,000人以上も訪れています。温泉水を治療として使う場合は、フィルターをかけるなど、一切の加工をしてはならないと法律で決まっています。そのため、源泉から湧き出たピュアなアベンヌ温泉水がそのまま使われます。

アベンヌ温泉水には、「理想的なミネラルバランスで肌を守り、穏やかに整え、うるおいをキープする」という基本的な泉質がありますが、それをどうやってさまざまな肌悩みに当てはめ、皮膚のケアに役立てていくのでしょうか? 気になるケアプログラムの内容をレポートします!

①皮膚科医とのカウンセリングでケアプログラムを決定

まずは、センター付きの皮膚科医による診察から。ここで現在の肌悩みをクリアにし、今の肌状態にベストなケアプログラムが組まれます。お悩みによって、“アベンヌ温泉水をどうやって肌に届けるか”がまったく異なるのだそう。今回は、アベンヌ温泉水のみを使った「基本治療」に決定!

②アベンヌ温泉水100%のジェットバスで角質ほぐし

まずは、アベンヌ温泉水がたっぷり張られたバスタブにドボン。約20分間浸かってゆったりリラックスします。これだけでも贅沢なのに、しばらくすると、ブクブクと気泡が出てきてジェットバス状態に! 温泉水の鎮静作用と泡によってかかる圧で、肌を穏やかにやわらかにほぐしていきます。

③温泉水シャワーで不要な角質をオフ&ミストシャワーで温泉成分をチャージ

入浴が終わったら、今度はシャワー室へ。まずは5分間強めのシャワーを浴び、入浴で柔らかくほぐれた不要な角質を洗い流します。
シャワーが強めの圧から霧のようにふんわりとしたミスト状態にシフト。このままさらに5分間ミストシャワーを浴びます。こうすることで、アベンヌ温泉水の“肌に良い成分”がぐんぐん浸透。さらに鎮静作用によって、肌がだんだん穏やかに。

④“飲泉”で内側からもミネラル&うるおい補給

アベンヌ温泉水は、じつは“飲泉”もできるってご存知でしたか? センター内に2箇所あるライオンの口からはアベンヌ温泉水がつねに流れており、治療中も治療後も、いつでも自由に飲むことができるんですよ。

大人は1日1.5リットルまで(!)飲んでもよいそう。シャワーのあとにグイッと一杯飲んで、からだの内側からもミネラル&うるおいをたっぷりチャージ。これで基本のケアプログラムは完了です。

この他にも、アベンヌ温泉水を局所的に強めに当てたり、寝そべった状態で全身に浴びたり、頭皮にシャワーしたり、湿布にしたりといった治療法があり、「どのように肌に届けるか」で、同じ温泉水でもさまざまなお悩みに応えることができるそう。さらに、マッサージや全身ラップ、頭皮ケアといったアベンヌの保湿クリームなどを使ったケアプログラムも充実しています。

治療期間は、3週間が基本。最低でも2週間通うことが推奨されており、月曜日から土曜日まで毎日通い、2時間ほど治療を行います。そのほかの時間はフリータイム。治療後の肌を健やかにキープしていくためのデイリーなスキンケア法やアンチエイジングのためのメイクアップレッスン、子供でも楽しめるボディケア教室など、さまざまなワークショップが開催されているので、空いた時間も楽しむことができるよう工夫されています。

近隣の街まで足を伸ばして観光するもよし、トレッキングやサイクリングを楽しむもよし、南仏の豊かな食材に舌鼓を打つもよし。温泉水のチカラとアベンヌ村や南仏の魅力を全身でめいっぱい満喫できる、治療というよりは、肌や心へのご褒美のようなプログラム。とても贅沢なひとときでした。

第3回につづく

Text: Naomi Sakai