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季節と肌

「いい女」はここが違う! 映画から学ぶ、フランス女性の生き方

アムールの国と呼ばれるフランス。そんなフランスでは、女性の魅力は年齢とともに増すと言われています。女性がいつまでもイキイキと輝き続ける秘訣を、フランス映画から学んでみましょう。1年に200本もの映画を見るという、映画のプロ・斎藤香さんに女性の美しさが表れているフランス映画を教えていただきました。

クラシックな映画から学ぶ、幸せのあり方は……

(C)Cin -Tamaris photo by Agn s Varda (C)Agn s Varda

Q.フランス人女性の生き方を学べる、おすすめ映画を教えてください。

『シェルブールの雨傘』のヒロイン、ジュヌビエーブ。演じたのは、フランスの名女優カトリーヌ・ドヌーヴです。

カンヌ国際映画祭でグランプリも受賞した有名な映画なので、見たことのある方も多いかもしれませんね。戦時中に恋に落ちた男女でしたが、男は戦争へ。彼の子を妊娠していた女は男の帰りを待ちわびるけれど、家は借金で火の車。女は恋人を諦めて、その借金を返してくれた男の求婚を受け入れる……というクラシックなラブストーリーです。

Q.この映画から学ぶフランス人女性の生き方をひと言で表すと?

ヒロインを演じるカトリーヌ・ドヌーヴの美貌や美術から衣裳に至るまで洗練されたファッションも本作の魅力ですが、ヒロインの生き方をピックアップするとしたら、運命を受け入れ、幸福の選択をした女性であるということです。

『シェルブールの雨傘』のヒロインに学ぶ女性の生き方

●覚悟を決めたら後ろを振り返らない
戦争という時代の波にのまれ、一番愛する人を諦めなくてはならなかったヒロイン。けれど彼女は決して取り乱さず、粛々と運命を受け入れます。それは家族のためでもあったのですが、彼女が戦地へ発った男を諦めるとき、泣いて騒いで取り乱したり、抗ったりすることはありませんでした。エレガントに覚悟を決めるのです。決心をしたら、ちゃんと前を向いて歩を進める強さが、この映画のヒロインの魅力でしょう。

(C)Cin -Tamaris photo by Agn s Varda (C)Agn s Varda

●内側に秘めた熱い情熱をもっている
戦地へ発つ前に愛する彼が「もし男の子が生まれたらフランソワという名前にしよう」と言うのですが、彼女は生まれてきた娘にフランソワーズという名前をつけます。そこには彼への愛が感じられ、かつ、その愛の表し方にもセンスがあって素敵です。

(C)Cin -Tamaris photo by Agn s Varda (C)Agn s Varda

●相手に判断を委ねさせる
結局それぞれ伴侶を得て、別々の人生を歩みます。最後に二人が偶然再会したとき、車中にいたヒロインは同乗している娘に気付いた元恋人に「フランソワーズよ、会ってみる?」と声かけるのですが、そこで「あなたの娘よ、見て」と言わないところが彼女の魅力。今は幸せに暮らしているであろう彼を気遣い、彼に未練はありながらも、さりげなく娘のことを語るシーンはとても上品。決して「あなたの娘よ」とは言わないのです。そこにフランス女性の可愛さとエレガンスを感じます。

凛とした自分らしさを持ちながらも、愛にあふれて相手に判断を委ねる…接する人を気遣いながら確固とした自分を持ち合わせた女性像は、時代を経てもチャーミングでかっこいいもの。この週末、さっそく『シェルブールの雨傘』を見て、女性の生き方について考えてみませんか?

「シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組)」 DVD&Blu-ray 好評発売及びレンタル中
価格:4,700円(税抜) 発売元・販売元:ハピネット

ピックアップアイテム
フランス女性を支えてきたアベンヌスキンケア
取材協力 斎藤 香(さいとう かおり) All About「映画」ガイド

フリーランスライター。芸能誌、映画誌の編集者を経て、現在、映画を中心にWEB、紙媒体などで取材執筆活動中。インタビュー経験も多数あり。オールアバウトでは、毎月おすすめの映画をレコメンド。