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朝までワープ! 真夏のぐっすり快眠法

せっかくお風呂に入ってさっぱりしたのに、眠っているうちに汗がダラダラ、肌はベタベタ…。だからといって、クーラーで部屋を冷やしたまま眠ると、風邪をひいたりだるくなったりしてしまうし、ガマンして暑い部屋の中で眠ってしまうと熱中症が心配。年々過酷になっていく熱帯夜を、家族みんなで快適に乗り切るにはどうしたらいいの?
今回は、眠りのエキスパートである快眠セラピスト・三橋美穂さんに、蒸し暑い夜でも朝までぐっすり眠れるコツを伺いました。

Q. クーラーや扇風機をかけたまま眠ってもOK?

最適な湿度と温度に設定すれば、一晩中エアコンをつけておいても問題ありません。重要なのは、エアコンの設定温度を体温リズムに合わせること。眠りはじめは体温を下げるために汗をかくので、就寝1時間前に寝室を25度くらいに冷やしておいて、眠るときに26〜29度に設定し直すといいでしょう。

また、扇風機を併用すると、エアコンの設定温度が高くても涼しく快適に眠れます。扇風機をエアコンの風下の正面を向くように置き、さらに天井に向けて風を送ると、冷えムラがなく、微風で部屋全体の空気をゆるやかに循環することができますよ。

朝起きたらシャワーを浴びるつもりで、少し汗ばむ程度に温度設定するのが、カラダに負担をかけないコツなのだとか。最適温度&湿度さえ覚えておけば、「健康のために、節電のために…!」とガマンしてきた人も、この夏はぐっすり眠れそうですね。

“背中ダンボール”で蒸れを解消すれば、ぐっすり眠れる!?

熱帯夜を不快にさせるいちばんの要因は、背中の蒸れ。「高温多湿の日本の夏は、背中が蒸れやすく、これが睡眠時に途中で目覚めてしまういちばんの要因です。

これを解消するのに手っ取り早いのが、ダンボールを使った快眠術。これは、丈夫なダンボールをB4サイズくらいにカットして、それを背中部分に当たるようにシーツの下に敷くだけという簡単なもの。ダンボールの硬さが背中と敷き布団を密着させないため、通気性が確保されて涼しく感じます。もっといいのは、玄関マットやバスマットとして使われるシーグラスマット。100円均一のお店でも購入できますし、ダンボールより長く使え背中の通気性もバッチリです」(三橋さん)

寝具の質にもこだわると、さらに快眠!

エアコンの設定温度が高めでも、寝具の素材を変えるだけでうんと眠りやすくなるのだそう。「熱を逃す夏用の敷きパッドや、麻、い草、竹などを使ったパッドはとくに涼しく眠れます。反対に気をつけていただきたいのが、熱がこもりやすいポリエステル綿が詰まった敷きパッド。肌に触れる面に麻や竹を使っていても、しばらくすると背中が蒸れて暑くなるので注意が必要です。上がけには、軽くて柔らかいガーゼケットが◎」(三橋さん)

Q. 眠るときの服装は?

肩を冷やすと自律神経が乱れやすいので、パジャマはノースリーブではなく、袖付きのものがベター。またふくらはぎは冷やすと足がつりやすくなるので、長ズボンを選びましょう。

さらに、素材は汗をよく吸う吸湿性の良さと、肌に触れたときのシャリ感のある生地が◎。縦方向にシワがある楊柳(ようりゅう)織りや、凹凸のあるサッカー織り、通気性の良いガーゼ、ひんやり心地よい麻、吸湿性に優れた綿やシルクなどがおすすめです。

しめつけのきつい服も、血行が阻害されて体温が下がらず睡眠のさまたげになるのだそう。パジャマはゆったりとしたデザインのものを選びましょう。

どんなに工夫しても、思うように眠れない時は……?

室温を調整しても、寝具を見直しても、なかなか眠りにつけない時もあるはず。眠れないと、その焦りがストレスとなって、よけい眠りにくくなってしまうという悪循環になることも…。

「そんな時には、頭を冷やして脳の温度を下げましょう。「眠れない」「暑くてイヤだな」などあれこれ考えていると、脳がヒートアップ状態になって余計眠りにくくなってしまいます。頭を冷やすと思考が鎮まり、脳の温度も下がるので眠りやすくなるのです。

おすすめは、お惣菜やスイーツを買ったときについてくる保冷剤を使うテクニック。保冷剤を冷凍庫から出しておき、ひんやり気持ち良い程度に温度調整したものを前頭部にのせます。脳の代謝が減速して、すっと眠りにはいりやすくなりますよ」(三橋さん)

眠りは、少しの工夫で必ず変わると教えてくれた三橋さん。「ミント系のアロマをかいだり、寝室を寒色系でコーディネートすることで体感温度が下がり、眠りやすくなったという人もいます。誰にでも必ず効く快眠法はありませんが、今回ご紹介したいろいろなメソッドを、どんどん実践してみてください。きっと、あなたの悩みや体質にあった快眠法が見つかるはずですよ」

参考文献:三橋美穂「驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100」(かんき出版)

取材協力 三橋 美穂(みつはし みほ) 快眠セラピスト

快眠セラピスト、睡眠環境プランナー。寝具メーカーの研究開発部長を経て2003年に独立。現在は全国での講演や執筆、個人相談のほか、ベッドメーカーのコンサルティング、ホテルのコーディネイト、快眠グッズなど企業の睡眠関連事業に広く携わる。また睡眠のスペシャリストとしてテレビや雑誌など幅広いメディアで活躍中。