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今から実戦! 加齢臭もなくせる?「においケア」

仕事やプライベートでも気をつけたいのが「におい」。そもそも、自分のにおいだってわからないもの。ましてや上司や友だちににおいが気になる人がいても言い出しにくいものですよね。ここ近年では、“加齢臭”という言葉をよく聞くようになり、対策アイテムも続々と発売されて「におい」市場は勢いを増すばかり。化粧品メーカーの研究所で商品開発に携わっていた、ビューティサイエンティストの岡部美代治さんに「におい」事情について聞いてみました。

Q. 雑誌やSNSで「におい」特集が増えている理由は?

昔から日本では「フレグランス」文化というよりも、「デオドラント」文化といったほうが馴染みがあるかもしれませんね。においの主張より、“迷惑をかけない”というエチケットが染みついている、そういう心遣いが今でも残っています。

例えば、通勤ラッシュの電車の中や職場、エレベーター内ではとくに周囲を気にする傾向にあります。若い人はもちろん、平均年齢の高まりと共に「においで嫌われない」と思う人口も増えているので、デオドラント商品が増えているのも自然な流れかもしれません。

一方で、気になる「におい」の研究も進んできていて、対策も“より的確”になってきています。とくに、初夏から梅雨にかけては汗をかく機会が増えるため、体臭が気になる時期。デオドラント意識が高まりますよね。体臭の発生源もワキだけでなく、頭髪、背中、足、そして口臭まで複合化しています。

Q. 気になる「におい」ってどんなにおい?

一般的な体臭で最も気になるのがわきの下と足裏です。ワキの下は「アポクリン腺」が開いており、タンパク質、脂質、糖質を含む汗が出ます。この汗はもともと少しにおいがあるのですが、ワキの下が高温高湿のために微生物が繁殖しやすいのです。

足の裏も汗を多くかきますよね。この汗は「エクリン腺」といい普通の汗なのですが、乳酸を含み、微量ですがアンモニアも含んでいます。さらに、靴下や靴の中はやはり高温高湿で微生物が繁殖しやすく、独特の異臭を発生させます。

この頃、注目されているのが「頭皮」のにおい。頭皮も汗をかくと毛髪が密生していますので湿度が高い状態になります。皮脂も多く分泌していますので、汗の成分と皮脂の成分が混ざり合い、臭いを発生させます。
また、ロングヘアやふわっとしたパーマスタイルなどは、タバコや飲食店の臭いも吸着して、さらに異臭を強める傾向にあるので気をつけたいですね。

Q. 毎日の生活で「におい」をなくす方法はあるの?

誰もが簡単にできる、においケア方法は2つ。

(1)汗を洗い流す
(2)体臭が発生しやすい部位にデオドラント商品を使用すること

簡単なことですが、これを習慣化させているという人は意外と少ないんです。「におい」が気になるなら、とにかく、雑菌が増えないよう気をつけること。そのような生活習慣を身につけることが最も効果的です。

これからの季節は、外出して帰宅した後でのシャワー習慣は良いと思います。また、寝汗をかく人は朝もシャワーを浴びて、におい対策をして出掛けると効果的です。汗が多く出る頭、首、ワキ、足裏などは念入りに洗ってください。特に、首の後ろはにおいが強く出るところ。シャワーで汗を流しただけでは“におい菌”は取れません。石けん、ボディソープなどを使って、しっかりにおい菌を除去してください。

体臭が発生しやすいところには、こまめにケアする方法が一番です。デオドラント成分も多く発売されていますし、香り付きのアイテムでリフレッシュできるのも嬉しいですね。私もやっていますが、気分によって爽やか系のオードトワレを使いわけるのもオススメします。

他にも、敷き布団(シーツを敷いたその上)にバスタオルを敷いて寝たり、下着や洋服もこまめに着替えて清潔にすることも大切です。

また、食生活の見直しをするのもアリです。体臭が気になるなら動物性タンパク質の高い肉類を食べるのは控えましょう。

今、話題になっている「腸内美活」も良いですね。ビフィズス菌を腸内に届けるヨーグルトや発酵食品を積極的に摂ることで、ニオイを減らすことができます。食後は歯磨き習慣をつけて、口臭予防を。デンタルフロスや歯科医が提唱する歯の磨き方は参考になると思います。

Q. 身近なアイテムでにおいを消す方法は?

それでもまだニオイが気になるなら、野菜のアク抜きなどに使用する「ミョウバン」を使って消臭剤をつくりましょう。ミョウバンは殺菌効果が高いので、デオドラント剤を含む化粧品にも使われています。

●ミョウバン水(原液)のつくり方

(1)ペットボトルに水(500ml)と大さじ2杯のミョウバンを入れて、2〜3日日の当たらない場所で保管しておきます。これが原液になります。

(2)スプレー容器に水と原液を合わせます(原液は10倍〜20倍くらいに薄めて使用してください。肌の弱い方は事前に上腕で試し使いをすることをおすすめします)。

ワキや上半身、デコルテなどにおいが気になるところに吹きかければOK。ミョウバン水は使用期限はありませんが、早めに使い切ることをオススメします。

「におい」が気になるこれからの季節。家族やパートナーと一緒に、簡単にできる「においケア」。きちんとケアして、快適に過ごしましょう。

取材協力 岡部美代治(おかべみよじ) ビューティサイエンティスト

化粧品メーカーの研究所を経て、商品開発、マーケティング等を担当。数多くのヒット商品を手がける。2008年4月独立し、現在は美容コンサルタントとして活動。講演・セミナーや雑誌取材などの依頼も多い。