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フランス便り

芸術の秋が到来!フランス人とアートの関係

ボンジュール!
皆様、お元気ですか? パリは、素敵なシーズンになりました。思いっきりおしゃれができる季節です。
11月、パリは写真月間です。毎年レベルの高い展覧会が、いたるところで行われていますが、特に今月は、美術館やギャラリーの力の入った写真展を開催します。私もこの時期に写真展をすると、年配の方から学生の方まで、いろいろな年代の方に作品をお買い上げ頂きます。

こんな風に、フランスでの暮らしはアートと隣り合わせです。私も自分が気に入った作品と一緒に暮らしていますし、どの家にもリビングや寝室、廊下に絵画や彫刻、写真、リトグラフなどが飾られています。もちろん、環境や育った家庭にたくさんのアートがあった……ということなのでしょうが、断然、学校教育が関係していると思うのです。

こちらに住み始めた頃、ルーブル美術館によく行きました。美術の教科書に載っていた彫刻や絵画にたくさん出会い、「これが本物かあ」と、観光客気分で感激して歩いていました。巨大なアートに目を奪われていると、時につまずきます。するとそこには、床に座っている子供が…。危うく踏んづけそうになり、「親はどこに!?」と思っていると、たくさんの子供が床に座っているのです。中には、寝転がっている子も! そして皆、一様に写生しているのです。聞けば、小学校の課外授業だとか。こんなに小さな時から、世界的に価値のある作品を写生しているフランス人。そうやって、彼らの審美眼は培われているのですよね。

実際、「あそこのお菓子美味しかった!」というレベルで「あの展覧会行った?」「あれは、まあまあかな。そっちの方が良いよ!」なんて、展覧会の話がなされます。パリは、本当に個性がある美術館ばかり。どこも常に長蛇の列で、入れない時もあるため、予約のできる会員になったり、年間パスポートを持っている人も多くいます。それほど皆さん、日常的に美術館に行くのですね。

作品をゆっくり見るためには、小休止も必要。どこのミュージーアムにもカフェやレストランなどがあります。ゆっくりお茶を飲んで、さっきのあの作品もう一度見たい、と思えば戻ればいいし、のんびりと素晴らしい作品の中に浸ったりすることも。帰りには、気に入った作品のハガキやポスター、本を買って帰るのがお決まりコース。なんとも豊かな時間の過ごし方だなと思います。

私たち日本人にとっては、難しいものと思ってしまいがちなアートですが、フランスにいると好きか嫌いか、それだけで十分なのだと思います。シンプルに心に問いかけてみて、もっとアートを楽しんでみてください。

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取材協力 YOLLIKO SAITO 写真家

日本大学芸術学部写真学科卒業。広告制作会社勤務後フリーになる。現在、パリを基点としてヨーロッパ、アフリカなどで活躍。日本の女性誌、書籍、広告の他にアート作品の写真展をパリ、ベルリン、銀座で定期的に開催。ビオ、自然食、自然治療にも関心が強く、自他ともに認める「健康マニア」。自宅で栽培しているオーガニックハーブを使った料理をもてなしたり、ナチュラル・オーガニックコスメなどの美容情報にも精通。