食事にかける時間が長い!? フランス人流 食事の楽しみ方
ボンジュール!
お暑い日本。皆さまお元気ですか?
先日、日本の芸能人ご夫婦がパリにお越しになり、3星レストランにお供しました。日本では普通ですが、パリでは早めの、19時からスタートしました。
この時間では、まだ開店していないレストランもあります。だいたい夕食は20時からが普通です。
まず、食前酒を飲みながらお品書きを見ます。ちなみに、フランス語でお品書きのことを“カルト la carte”と言います。ちなみに日本語の“メニュー menu”だと、フランス語で“セット定食”を指しますのでご注意を。『お品書きをください!』は、『ラ カルト シルヴプレ』と言いましょう。(以上、ひとことフランス語講座でした。)
撮影させていただいたのは、シャンゼリゼの近くにある2星の高級レストラン。中央の入り口が、何故こんなに縦長?…昔、馬車で中まで入れるようにするために、このようになっているのだそうです。
La Clarence
31 Avenue Franklin Delano Roosevelt, 75008 Paris, フランス
+33 1 82 82 10 10
前菜、メイン、デザートをオーダーすると、ソムリエさんが登場。シャンパン、ワインやお水などの飲み物を決めます。しばらくするとオーダーせずとも、前菜の前にアミューズブッシュ(一口のお楽しみ)が出てきます。その後、飲み物が出てきてそのお酒について話していると前菜。ワインが変わりメインディッシュ。次は、デザート?…と思っているとアヴァンデセール(軽めのデザート)。お高いレストランでは、デザートの前にもう一皿、または数皿、とおまけデザートが、出てきます。
彩りが美しい、アヴァンデセール3皿(La Clarence)
その後にやっとコーヒーです。その際にまた小さいお菓子。終わったかなと思うと、食後酒をオーダーする人もいて…。お夕飯が終わるのは、24時ごろ! なんと5時間! 深夜になってしまいます。日本だと、夕食後にバーやカラオケなど、2、3店行くそうですが、フランスではレストランのみに。
正式なクラシックに内装。モダンなところが多い今では、貴重です(La Clarence)。
このように長い夕食を楽しむのは、高級レストランだけ、とお思いになりますよね。
ところが、どっこい。違うのです。平日の夕食はシンプルですが、驚きなのがウィークエンド。
毎週のように友人の誰かの家で食事会やなんかのフェット(パーティー)があります。お食事の前にアペリティフ、食前酒の時間があります。お呼びした方々が集まるまでチビチビやりながら待つのですが、それが長い! お腹が空いているので、早くご飯を食べたいのですが、終わらない。フェットは18時からと言われて行っても、ずっと食前酒。21時にまで及ぶことも…やっと、ご飯が始まっておしゃべりして楽しいと思ったら、ほら、また24時すぎ。
フェットは、フランス人にとっては日常的なことなので、各家庭、いろいろと工夫をこらします。お呼びする方々の年齢、会の主旨、季節、献立、お花、テーブルセッテング、飾り付けを考えます。着席で一皿ずつにするか、大皿のビュッフェスタイルでカジュアルにするか? テラスにテーブルを出すか?
改まったフェットの場合は、ケータリングでお給仕する人達、お料理または料理人をオーダーする家庭もあります。主婦の方々は、なるべくキッチンに立つ時間を少なくして、お客様を接待する。もちろん、エプロン姿は見せない。ある程度おしゃれしておく。フランス人は、お片づけを手伝ってくれるので、キッチンは、片付けておくこと。食事の終わりに出すカフェとハーブティーや食後酒を出すタイミングに気をつけるなどなど。心遣いをしているようです。
食事時間が、世界一長い!
ワールドチャンピオンと言われているフランス。
あぁぁぁぁ~何故フランス人たちは、こんなに喋り続け!食べ続け!飲み続けるの?!…それは、ベースにカトリック教の分かち合いの精神が影響しているのでは、ないでしょうか。
しかし、すごい体力ですね。美味しい物を分かち合う。本能のままに喋り続けて楽しい時間を共有する。なんと人生を楽しんでいるフランス人! ちょっと長過ぎる時もありますが…。