冬のパリの救世主!? フランス人の「はちみつ」の活用術
秋が深まると、長い長いパリの冬が始まります。
毎日曇り空、さらに寒い日が続くとブルーな気持ちになるパリジャンが増えるのも、この季節の特徴。
先日、一緒に仕事をするジャーナリストから電話がありました。
「どなた?」と思うほど、ひどい声。ノドを痛めて声がでないと、うなるような絞りだすような声で話をしていました。明後日、インタビュー取材があるというのに……これでは困ります。「何とかノドを治してくださいね」と電話を切りました。
そして、当日。ひどいガラガラ声だったけど、何とか無事にインタビューを終えることができました。
ホッと一息ついたところで、彼女にノドの治療法を聞いてみたんです。
「どうやってここまで声が出るようになったの?」と。
目次
意外な救世主の登場!
私との電話を切った後に薬局へ行って「兎にも角にも、声が出るように何かください」と頼むと、処方されたのは「はちみつ」だったといいます。ティースプーン1杯のはちみつにレモングラスのエッセンシャルオイル3滴をたらして食べる。たったそれだけ。
あとは、ノドが痛くなったときにつける、ノドスプレー。
「服用薬も出してくれなかったのよ」と。なんて商売っ気の無い薬局なんでしょう。
「はちみつなら家にあったのだけど、(お金を払わずに)ゼロユーロでアドバイスを聞くのも申し訳ないから、レモングラスを買って来た」とのこと。今はすっかり良くなって、美声に戻っていました。にしても、はちみつだけとは……。自然治療、スゴいですね。
「ミエル」の活用術
寒くなると「ミエル(はちみつ)」という言葉が、あちらこちらで聞こえてきます。先日、オープンしたばかりのグルテンフリーカフェのイケメンシェフと雑談していると、「そろそろはちみつのケーキをつくろうかな」と言っていました。
「ナゼ?」と聞くと、
「冬だから」。
えっと……「ナゼ??」。
「ナゼって……君は、真冬に冷たいサラダを食べたいか?」と言われました。お菓子業界では、冬といえばはちみつなのだとか。スパイスとミエルが、たっぷり入った“パンデピス”も冬のお菓子です。食べると、体がほかほかするとフランス人は言います。なるほど、はちみつは冬には欠かせない、切っても切り離せない食べ物なんですね。
このようにフランス人は、はちみつを上手に生活に取り入れています。
知り合いのマダムは、「かかとや膝をはちみつで磨くといいわよ」と美肌術を教えてくれました。はちみつには、ピーリング&保湿効果があるとのこと。
バスタブに浸かってゆったりするときには、ハニーフェイスパックをするそうです。キッチンからはちみつの瓶を持ってきて、顔に塗るだけ……と、超がつくほど簡単美容。そういえば、『パリマダムシック』(主婦の友社出版)に登場する23人のマダムを撮影させていただいたとき、ここに登場するマダムたちの美意識の高さといったら! 彼女たちの歳の重ね方、肌の磨き方は本当に参考になります。
肺のケア?! パリジェンヌに教わる冬の予防対策
秋が始まる頃に、「お宅に香辛料のグローブある? あったらちょっと分けていただけるかしら?」と、近所の自然食仲間が遊びに来ました。スープにいれるのかと聞くと、「冬の準備よ。肺のお掃除」と。
友人によりますと、街の汚い空気、タバコの煙などで、日々肺に老廃物が溜まる。放置すると、喘息や止まらない咳、痰の原因になるといわれているそうです。風邪を引きやすくなる冬の前にこれをつくっておけば、安心との事こと。昔から言い伝えられている予防策なんでしょう。早速、私も一緒につくってみることに。
●はちみつ 2カップ
●オリーブオイル 1/2カップ
●グローブ 10個
●干しイチジク 大きさにもよりますが10個くらい
瓶の中に材料全部を入れるだけ。3日〜1週間ほど経ったら食べられます。毎日、お好きなときにスープスプーン1杯食べてみてください。完食する頃には、スッキリしているそうですよ。
日本で購入されるときは、瓶の裏ラベルをよく読んでください。「はちみつ類、精製蜂蜜、加糖ハチミツ」と書いてあったら、要注意。 加熱処理&加工されていては、ミネラル、ビタミン、酵素がなくなっているのだそう。
お買い物の際は、くれぐれもご注意を!