お手本はフランス女性! 秋の夜長に…愛が深まる恋愛映画
風が冷たくなってくると、人肌恋しくなるもの。そんな時に好きな人と観たいのが、心がほっと温まるような恋愛映画。今回は、アムールの国フランス映画から、映画ガイド斎藤香さんがこの季節にオススメの作品をナビゲート。クリスマスまであと1ヶ月。恋人や家族がいる人はもちろん、シングルの人もキラキラ気分を手に入れて。
目次
Q.フランスらしい、恋愛映画って?
エリック・ロメール監督の『パリのランデヴー』。ロメール監督はフランスのウディ・アレンのような映画人です。この映画は、3話オムニバス式。それぞれ恋のイタズラを描いたシニカルな恋愛映画です。フランス女性って恋上手だなあと思わせてくれると同時に、フランス男性のキュートさも垣間見られる作品です。
『パリのランデヴー』
発売元:紀伊國屋書店
販売元:紀伊國屋書店
価格:4,800+税
Q.恋に浸りたい女性におすすめの映画は?
9月に日本でも公開されたばかりの、『アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(プレリュード)』は、それぞれパートナーがいながらも単身で訪れたインドで出会った二人が惹かれ合うプロセスを描いた、大人の恋愛映画です。わずか2日間というインドでの旅路のなかで二人が惹かれあっていく様が、映画を通してとてもスムーズに伝わってくるスマートで素敵な映画です。
『アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(プレリュード)』
全国大ヒット公開中!
Q.家族で楽しめるフランス映画は?
フランスで1300万人が観たという大ヒット作『最高の花婿』です。物語はフランスの美人4姉妹すべてが国際結婚をすることから起こる騒動を描いたもの。長女、次女、三女それぞれがアラブ人、ユダヤ人、中国人と結婚し、末娘だけはカトリックのフランス人と結婚してほしいと思っていた両親。ところが末娘の彼氏はコートジボワール出身の男性!
生活習慣の違う婿たちに振り回され、娘の結婚を祝福したいけど、素直に喜べない両親と、親の気持ちを理解しながらも愛を貫いて国際結婚に踏み切った娘たちのストーリーです。とても滑稽に描かれているけど、見終ったあと、「家族っていいな」と、微笑ましくて温かい気持ちになるハッピーな家族愛映画です。
『最高の花婿』
発売元:ポニーキャニオン
販売元:ポニーキャニオン
価格:DVD¥3,800(本体)+税、Blu-ray¥4,700(本体)+税
フランス映画から学ぶフランス人女性の恋愛&愛され術
●男性を傷つけないようにかわす
『パリのランデヴー』は、男性を傷つけずにかわす知的なフランス人女性のふるまいが印象的です。1作目の『7時の約束』は、彼に二股された彼女が、浮気相手の女性と意気投合、2作目の『パリのベンチ』では、恋人の浮気に悩む女性を必死に口説く男が、恋愛成就一歩手前で彼女から痛烈な言葉を浴び、3作目の『母と子』では一目惚れした女性と仲よくなろうと姑息な作戦で近づこうとする画家の恋の空回りをシニカルに描いています。いずれの物語も、女性たちが男の思惑を上手にかわしていく姿が実に知的でチャーミングです。
●好きな気持ちは隠しながら、見せながら…
『アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲』の主人公、アンナから学べるのは、好印象を抱いたことをすぐには明かさない大人の恋愛テクニック。第一印象でいいなと思っても、お互いを深く知り合うため、会話を楽しむのがフランス的な恋の進め方です。好意は見せながらも、決定的な何かは語らない…。知っていくプロセスを楽しみながら恋愛感情を育んでいくことのできる余裕は、さすが恋の国フランス。
●結婚しても自分は自分であり続ける
『最高の花婿』は、人種や宗教を超えて愛し合い、分かりあおうとする家族の物語。一方、『アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲』のアンナは、フランス大使夫人という社会的なポジションを確立しながらも、インドへひとり旅に出ます。どちらの映画からも感じるのは、親や夫、家族に振り回されるのではなく、女性が一個人として自立し、自分の人生の舵取りをしているということ。結婚しても子供を持っても女であり続ける姿勢は、観ていて気持ちがいいし、年齢を重ねた女性に魅力を見出すフランスらしさを感じます。
いかがでしたか?フランス女性をお手本に、恋愛力に磨きをかけましょう!