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赤ちゃんスキンケア

夏場だけじゃダメ! 赤ちゃんのすべすべ肌を守る正しい「あせもケア」

気温も湿度も少しずつ上がって過ごしやすくなる初夏。お子さんとのお出かけが楽しい季節ですよね。とは言え、赤ちゃんは自分で汗を拭いたり服を脱いだりすることができないため、お出かけにはちょっと注意が必要。きちんと対策を打っておかないと、夏本番でなくとも赤ちゃんの健やかな肌があせもだらけになることも……。

そこで今回は、助産師であり赤ちゃん訪問指導歴20年の浅井貴子さんが、正しい“あせもケア術”をレクチャー。赤ちゃんのすべすべ肌をキープする秘訣をお教えします。

赤ちゃんの汗腺は大人並み。汗量は大人の3倍も!

汗で気持ちが悪いとついつい赤ちゃんも不機嫌に・・・。ママのためにもこまめなケアは必要です。

「言うまでもなく、あせもの原因は汗。赤ちゃんは大人に比べて体の面積が小さいにも関わらず、汗腺の数は大人と同じで汗の量は大人の3倍。そのため、すぐに汗びっしょりになってしまうので、どうしてもあせもができやすくなります。そのうえ、自律神経が未熟なため授乳や泣くことで汗をどんどん発散。このように、赤ちゃんは身体のしくみ自体が汗をかきやすいようにできているんです」と浅井さん。あせもは夏場特有の肌トラブルと思われがちですが、季節を問わずあせもの危険にさらされていると思って、こまめなケアで赤ちゃんの肌を守ってあげたいですね。

Q.そもそも、あせもはどうしてできるの?

「あせもは、汗を分泌する汗腺の出口に汗が溜まることで、皮膚の常在菌が増殖し炎症が起こった状態のことを言います。先述のとおり、赤ちゃんは汗っかきですから、首回りや脇、股、肘や膝の裏側など皮膚と皮膚が接触している部分は汗がたまりやすいので注意が必要です。長時間チャイルドシートやベビーカーに乗せたままにしていると、顔や胸、背中やお尻などもできやすくなるので、注意したいですね」

あせもの原因は肌に残ったアンモニア! シャワーや濡れたタオルでつねに清潔に保つこと

Q.赤ちゃんのあせもを防ぐには?

「汗の成分であるアンモニアを皮膚に残さないことが何より大切。乾いたタオルやガーゼでおさえるだけでは取りきれないこともあるので、シャワーや行水などで洗い流し、よく乾かすのがベターです。外出先では、濡らしたおしぼりやガーゼなどで首回りや脇などの皮膚と皮膚の接触面だけでも拭くとよいでしょう。夏場、特に寝苦しい夜や猛暑の日中などは、エアコンなしでがんばろうとせず、赤ちゃんが快適に過ごせるよう適度に空調をコントロールしてあげましょう」

素早く正しく対処することで、悪化を防ぎ、治りを早く

Q.赤ちゃんがあせもになってしまったら?

1.汗をよく洗い流す
石鹸は使いすぎるとうるおいが奪われてしまうので、1日1回でOK。皮膚と皮膚の接触面を手で優しく丁寧に洗ってあげましょう。

2.保湿アイテムを忘れない
お風呂上りは、ローションやベビーパウダー、皮膚を保護したり炎症を抑えたりする亜鉛華軟膏(あえんかなんこう)などを薄めに塗布してうるおいを守るケアも忘れずに。

3.吸水性や通気性の高い衣服を選ぶ
洋服はフィット感のあるタンクトップよりも、一回り大きめの半袖や半ズボンのほうが汗を吸いやすいもの。素材はコットン100%、ワッフル加工、サッカー仕様など凹凸のある布地は通気性もよくおすすめです。濡れたら肌をよく乾かし、こまめに着替えさせるのもコツです。

4.汗を直接皮膚に触れさせない工夫を
寝入りばなや授乳時、泣いたあと、寝起きはとても汗をかきやすいもの。背中にガーゼを入れたり、授乳の時には腕カバーをしたりして、極力汗が皮膚に触れないようにしましょう。また枕など寝具は吸湿性の高いものを選びましょう。

赤ちゃんの肌を守ってあげられるのは、やっぱりいちばん近くにいるママ。汗をかいたら放っておかない、こまめに拭き取り清潔に保つ、赤ちゃんの肌に触れる素材に気を配るなど少しずつ意識を高めて、大切な赤ちゃんの肌を健やかに保ってあげてくださいね。

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生後1ヶ月の赤ちゃんから使えるボディケア
取材協力 浅井 貴子(あさい たかこ) 助産師・マタニティーアロマセラピスト

新生児訪問指導歴約20年以上のキャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児のアドバイスや母乳育児指導を実施。ベビーマッサージや妊婦さん向けのセミナーの講師を多数務める。