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赤ちゃんスキンケア

デリケートな赤ちゃんの乾燥肌を守る、ベビー向けスキンケアを徹底解説

ニキビや肌のカサカサ、かぶれなど赤ちゃんの肌トラブルに悩むお母さんは少なくありません。ケアをしてもなかなか改善されないと、強く心配してしまいがちですが、自分の責任だと責める必要はありませんよ。なぜなら、大人よりもデリケートな赤ちゃんの肌はトラブルが避けられないことがあるから。

助産師として25年以上のキャリアを持つ浅井 貴子さんは、赤ちゃんの肌を知り尽くしたその道のプロ。経験と知識をもとに、大人と赤ちゃんの肌の違いに合わせたベビー向けスキンケアについて徹底的に伝授していただきましょう!

赤ちゃんの肌トラブルの原因

大人と赤ちゃんの肌の違い

そもそも赤ちゃんの肌にトラブルが起こりやすいのは、大人と赤ちゃんの肌が違うためだと、浅井さんは説明します。

「赤ちゃんの肌の角層は大人に比べて3分の1しかなく、厚さは0.1ミリ以下と言われています。角層が薄いので、乾燥や紫外線、ママやパパが着る洋服などから刺激を受けやすいのです。
また汗を出す汗腺は大人の3倍で、発汗量が多いことも大きな違いです。」

肌トラブル別、原因の解明

肌に現れる症状はそれぞれ異なりますが、その原因を理解することでトラブルが解消できるはず。よく見られる4つの赤ちゃんの肌トラブルの原因について浅井さんに伺います。

ニキビ

「生後2ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、胎児期にママからもらったホルモンが残っているため、皮脂の分泌が多くなり、ポツポツした”赤ちゃんニキビ”ができやすい時期です。症状としてはプツプツした赤味を帯びた湿疹が顔を中心に出ます。たまに白い皮脂のような脂が入っていることもあります」

湿疹

首や脇など、汗や汚れがたまりやすい場所のプツプツ、あるいは皮膚がむけてしまったり、赤ちゃんが痒みを訴えるのは、湿疹と呼ばれる症状。

「一般的には保湿が不十分だったり、紫外線や洋服、エアコンなど、肌に刺激があった時などでも起こります。意外と見落としがちですが、衣類に残った洗剤でも湿疹が出てしまうこともあります」

おむつかぶれ

「おむつかぶれの原因は3つ。ウンチやおしっこの成分が皮ふに残ってかぶれる場合と、肌に合わない紙おむつや布おむつをしている場合、おしりふきシートの不織布などでかぶれる場合です。症状は皮ふに赤味が出て、ちょっとした摩擦でも痛みを感じるなど。ひどくなると浸出液が出て化膿する場合があります」

かさつき

全身もしくは頬だけ、足だけと部位的に現れるかさつきは、いわゆる乾燥肌の症状で、赤ちゃんに一番よく見られます。

「原因は保湿をしないで外気や紫外線、エアコンなどにさらされて乾燥が起こる場合と、先天的に皮脂の分泌が少ない場合があります。症状は触った感じが少しざらざらしていたり、皮膚の一部分がむけやすくなっている状態です。

皮脂はお肌の表面をワックスのようにおおって、水分の蒸発や有害物質などの侵入を防いでくれる役割を果たしますが、ママのホルモンの影響がなくなる生後2ヶ月以降から皮脂の分泌量が急激に減少します。思春期になるまで、子供の皮脂分泌量は大人の3分の1しかないため、乾燥が起こりやすくなります」

赤ちゃんの乾燥肌対策スキンケア

大人の乾燥肌ケアとの違い

上記で浅井さんが説明してくださったように、赤ちゃんの肌は皮ふが薄いため水分が蒸発しやすく、皮脂も少ないので有害物質などの侵入が起こりやすいのです。赤ちゃんは常にカサカサの危機にさらされているため、あらゆる肌トラブルを回避する基本のケアは、大人と同じく保湿にあるようです。

しかし保湿ケアについても、赤ちゃんの場合は大人と異なる点がいくつかあると浅井さんは語ります。保湿ケアの注意点について教えてください!

入浴時のお湯の温度

入浴もポイントという説明をお願いします。

「肌トラブルがある赤ちゃんは、お湯の温度が刺激になり痒みを引き起こすこともあるため、39度以下のぬるめの温度で入浴させましょう。使用する石けんは添加物などが入っていない低刺激性のもので、たっぷりの泡で洗うのが良いです。
基本は手の平で洗いますが、首の付け根など汚れがこびりついている箇所は綿手袋をつけて洗うのがオススメ。石けん成分が残らないように丁寧にすすぎましょう」

保湿クリームはたっぷりの量で“のせる”

助産師として25年以上のキャリアを持つ浅井さんの経験によると、一般のお母さんが赤ちゃんに使用する保湿クリームの量は「少ない」と指摘します。

「保湿クリームを手のひらに広げたら、軽く抑えるように“のせる”ということを意識して!塗る作業は摩擦熱が発生することがありますが、“のせる”方法だと肌荒れのある赤ちゃんにも負担がなく、たっぷりの量を塗布できますよ。クリームが肌に若干残るぐらいにたっぷりと使用しましょう」

保湿ケア時の注意点

大人のスキンケアも、入浴直後なるべく早く行うことが推奨されていますが、それは赤ちゃんも同様。「少し水滴が残っている状態で塗ると、その水分も一緒に皮ふに浸透しやすくなるので10分以内にケアをしましょう。特にドライスキンの赤ちゃんには早ければ早いほどよいとされています。加えて、乾燥している赤ちゃんには昼間にも1回塗布してあげるとよいでしょう」と浅井さんがアドバイスします。

また、保湿ケア後の着衣についても、そのタイミングと肌着の素材に留意して。「保湿クリーム塗布後しばらく、身体の熱が発散するのを待ってから綿素材などの吸湿性のよい肌着を着せましょう。熱が残っていると、着衣後に汗をかきやすくなり、トラブルの原因になるためです」

保湿クリームの選び方

赤ちゃん向け保湿クリームにはいくつか種類がありますが、何を選べばいいのでしょうか?大人のスキンケアのようにいくつかのクリームを重ねるべきか一つに絞るべきかなど、疑問が尽きません…。

「ベビーローションは水分と油分の割合で水分が多いタイプ。
クリームは水分と油分の割合がほぼ半々。
オイルは水分が入っておらず油分が100%。

このように、ローション<クリーム<オイルの順で油分が多くなります。選び方としては、赤ちゃんの肌に合わせてママが塗りやすいもので良いのです。オススメとしては、まずは油分の少ないローションから塗りましょう。それでも乾燥している場合は、クリーム、オイルの順に重ね塗りを試してみてください」

赤ちゃんの肌に合う保湿クリームの見極め

角層が薄く繊細な赤ちゃんの肌には、刺激が強過ぎる成分もあるようです。大人のスキンケア選びとは違う、注意点を教えていただきます。

「1番大切なことは、必ずパッチテストをして、使う前に合う合わないを確認することです。
赤ちゃんに適した成分は、保湿力の高いセラミド、ヒアルロン酸が安心でオススメですね。オーガニックは肌に優しいイメージがありますが、全ての肌に合うとは限らないので、まずパッチテストや商品のレビューなどを参考にしてみてください」

ピックアップアイテム
赤ちゃんの肌を優しく育む1ヶ月目から使える全身用保湿クリーム
取材協力 浅井 貴子 ゆっくり、ゆっくりママになればいいんだよ。

新生児訪問指導歴約25年以上のキャリアを持つ助産師。毎月30件、年間400件近い新生児訪問を行い、出産直後から3歳児の育児のアドバイスや母乳育児指導を実施。ベビーマッサージや妊婦さん向けのセミナーの講師を多数務める。