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ボディパーツケア

お風呂上りに肌がかゆい…! 医師が教える対処法と有効なスキンケア

入浴は一日の疲れを癒すリラックスタイム。にもかかわらず、お風呂から上がると肌がかゆくなると悩んでいませんか?ブツブツや赤み、発疹といった症状が現れる人も中にはいるかもしれません。我慢できずに肌をかいてしまい、ダメージを与えてしまうとますます症状は悪化の一方…。

今回は、医師の山下真理子さんにお風呂上りのかゆみの原因や有効な対処法について伺いました。すぐに実践できる対策を取り入れて、入浴後の悩みを解消しましょう!

お風呂上りの肌トラブルは〇〇が原因

トラブルを起こしやすい肌タイプ

お風呂上りにかゆみなどの肌トラブルが現れる人は、乾燥肌か敏感肌タイプであるといえます。それぞれの肌タイプ別に、トラブルが起こる原因を山下さんに伺いました。

乾燥肌

「水道水に含まれる塩素によって、肌の水分が蒸発しやすい状態になり、乾燥が加速してしまうのです。肌のバリア機能が低下し、かゆみや赤みなどの症状が出やすくなります」

敏感肌

「乾燥肌と同じく、原因は水道水に含まれる塩素です。敏感肌の場合、塩素に対して肌が過剰に反応してしまい、乾燥やかゆみを起こします。また、お風呂上りの体温の上昇によって、皮膚表面の水分が蒸発してしまいバリア機能が低下するのも原因です」

肌トラブルが出やすい体の部位と症状

乾燥・敏感肌は注意したい体の部位

お風呂上りにかゆみを感じる部位は人それぞれのようです。また、軽度から重度までレベルもさまざま。もしも、山下さんが教えてくれる以下の体の部位にかゆみを感じる場合、悪化を防ぐためにも可能な限りかくのは我慢して、予防に備えたいものです。

背中

「表面積が大きい背中は、水分の移動も顕著に起こるため、かゆみの症状が出やすい部位です。自身でのボディケアもしにくい場所なので、保湿ケアが不十分になってしまうことも原因に挙げられます」

手が届きにくい背中は、化粧水と水を1:1の割合で浸したキッチンペーパーでパックしたり、スプレータイプの化粧水を利用してみるのがオススメです。

「脚は入浴時だけでなく、ストッキングなどによるかぶれを起こして乾燥しやすい部位で、かゆみや湿疹など出やすくなります」

お風呂上りだけでなく、日常的に脚にかゆみを感じる人は、ストッキングの種類を見直してみるのも対策として有効でしょう。汗ばむ夏場でも仕事上ストッキングを欠かせない人もいますよね。メッシュ加工や涼感加工など、暑さからの刺激を回避できる夏仕様の製品を試してみては?

お風呂上りの保湿だけでなく、洗い方にもポイントが。「特に二の腕は強くこすって洗うと、毛穴がつまり、肌トラブルが起こりやすくなります。ごしごし洗うのではなく、たっぷりの泡で優しく汚れを落とすことを心がけて」

入浴時の注意点とケア方法

温度と入浴剤の見直し

上記で肌トラブルの原因は水道水の塩素であることが判明したものの、お風呂用浄水器などを使用しない限り、塩素を取り除くのはなかなか難しいもの…。肌トラブル対策として、入浴時の注意点を教えてください!

「極端な高温のお湯につからないようにしましょう。38~40度くらいがベストです。もしも熱めのお湯につかりたい場合は、出たり入ったりを交互に繰り返して体温上昇の振れ幅を小さくする方法が有効です。また、使用する入浴剤は刺激の少ないものや塩素除去作用のあるものを選ぶとよいでしょう」

シャワーで済ませる方法は効果的?

肌トラブルを回避するためバスタブにはつからず、シャワーで済ませる人もいるかもしれません。かゆみなどの症状は抑えられたとしても、やはり入浴は心身ともに様々な効能があるようです。

「湯舟に浸かることで体の深部温度が上昇し、基礎代謝がこうしんします。代謝が高くなることで肌のターンオーバーが乱れにくくなり、毛穴トラブルやシミなどのトラブルを予防できます。また、入浴にはリラックス効果によるストレス発散で、肌トラブルの原因になる活性酸素を発生させにくくします」と山下さんは教えてくれました。夏場はシャワーで済ませる人も少なくないかもしれませんが、疲れやストレスが溜まっている時こそ、入浴は進んで行うべきかも。

お風呂上りのケア方法

かゆみなどの肌トラブルを軽減するためには、お風呂上りのスキンケアが肝心。具体的には、どのようなケアを心がけるべきでしょうか?

「保湿に特化したクリームを使用するのがオススメ。クリームをよく伸ばして、体全体になじませるようにしましょう。美白成分を含む製品は、乾燥を助長させてしまうこともあるため、乾燥肌と敏感肌の方にはオススメしません。

また、体を洗うソープにも注意を。特に敏感肌の場合、添加物が少なく、天然由来成分配合や脱塩素効果のあるアイテムが選ぶとトラブルが軽減しやすくなります」

顔も体もゴシゴシとこすらず、優しく洗うことで肌にダメージを与えないようにすることも大切です。注意点に気をつけて、肌トラブルとは無縁の美肌を目指してくださいね!

ピックアップアイテム
敏感肌にも使える、肌を優しくうるおす化粧水・クリーム。
取材協力 山下 真理子 美容や体の悩みに答えるトータルケアの専門医

京都府立医科大学卒業後、医師免許取得。美容と健康の講演会も開催している。恋愛・美容コラムも好評連載中。産業医として予防医学にも関わる。