露出の多い夏だからこそ! ボディクリームを正しく使って“ふわもち肌”に磨きをかける
本格的な夏が近づくにつれて、肌の露出度は上がっていくもの。そこで気になるのが、肌の状態。触れたくなるような“ふわもち肌”が理想ではあるものの、現実にはカサカサやブツブツなど隠したくなるような肌トラブルを抱えている人も多いのでは?
そんな肌トラブルを軽減、自信を持って露出できる美肌を手に入れるボディケアについて、美容エディター&ライターの藤井 優美さんに伺いました。
目次
ボディクリームの正しい選び方
“ふわもち肌”に必要なのは保湿ケア
顔のスキンケアに関して、あらゆる肌トラブルを回避するために保湿ケアが重要であることは周知の事実。藤井さんによると、ボディケアの基本もやはり保湿にあるようです。
「顔に比べ、皮脂腺が少ないボディ(胸の間や背中など体の中心を除く)は、実はとても乾燥しやすいところ。また、下着の締め付けや摩擦、座っている時のヒップへの圧力、曲げ伸ばしをするひじ・ひざなど、絶えず刺激を受けているため、黒ずみやゴワつきが出やすいのも特徴。
だからこそ、ボディケアの基本も保湿。肌をうるおわせ、しなやかな状態を保つことで、外からの刺激をダイレクトに受けにくくしたり、肌本来の修復機能がスムーズに働くようになります」
ボディケアアイテムの種類と違い
ボディケアに必要なのは保湿と分かったところで、実際にはどんな保湿剤でケアを行うべきでしょうか?ボディケアアイテムの種類と効能の違いについて、詳しく教えてください!
ボディクリーム・ミルク
「クリームやミルクは油分に水分を加えて乳化させたもの。クリームは油分が多く、より強化な保護膜が形成されます。ミルクは皮脂膜の組成と近いため、肌へのなじみがよく、ベタつきにくいという特性があります。
また、引き締めやエイジングケアなど、リッチな美容成分を配合したアイテムはクリームやミルクが多いですね」
ボディジェル
「ベタつきが苦手な方は、水溶性ベースのジェルアイテムを。水をベースにしているので、肌にのばすとスッと浸透し、肌表面がさらりとします。軽い反面、保湿力に物足りなさを持つ方も多くいます」
ボディオイル
「油分だけでできているオイルは肌をおおって保湿効果を高めるもの。スクワランなど、オイルの性質によっては皮脂組成と近いため、親和性が高く、ベタつかずに保湿できるというメリットもあります」
効果抜群! バスタイム中のボディケア
肌を乾かさないことが理想だと前途した通り、肌が濡れるバスタイム中のボディケアは高い効果を得られるよう。
「お風呂を出る仕上げに、濡れた体にオイルを塗布。水分のある肌になじませることで浸透が促進されるうえ、ベタつかずに保湿ができてオススメ。足先からそけい部へ、お腹、ウエスト、指先から脇下に向かってサーッとオイルを塗るのが効果的です。
また肌を乾燥させないために、ナイロンタオルのこすり洗いはやめて、手洗いにしましょう」
ボディクリームの塗り方と肌悩み別のパーツケア
効能を最大限に活かすボディクリームの塗り方
ボディクリームを塗る時は、ただ肌になじませるだけでなく、同時に巡りを良くするマッサージを行うことでむくみ改善や痩せやすい体作りにも効果的。毎日行える、簡単なマッサージを藤井さんに伝授していただきます。
「ボディクリームを塗る前に、足の指の間に手の指を入れてギュッと挟んだり、前後に動かすことで、足先に溜まった老廃物(主に水分)が排出されやすい状態を作ることができます。
その後ボディクリームを足から上半身に向かって順に塗っていきます。まず足裏からひざ、そけい部に向かって下から上に手を動かして。リンパ節のあるひざの裏など、ポイントごとに少し圧を加えてリンパが流れやすいようにすると効果的。特に脚の付け根部分のリンパ節はしっかりプッシュすると良いでしょう。
ヒップは下から上に、丸みに沿って持ち上げ、そのままウエストに。くびれ部分からそけい部に向かって手を動かします。お腹はおへそを中心に円を描くように時計回りでマッサージ。
それから上半身へ。まず脇下のリンパ節を押してから、鎖骨下を中心から外側へ、さらに脇の下へ手を動かすようにマッサージ(①)。首は上から下へ、鎖骨に向かって塗ります(②)。胸は下から外回りで円を描くようにマッサージ(③)。この時、脇肉を胸に流すよう手を動かすことも忘れずに(④)。最後にもう1度鎖骨をマッサージして、脇下のリンパ節をプッシュして完了(①)。反対側も同様に行ってくださいね」
悩みに合わせたパーツケア
肌トラブルにもブツブツや乾燥など、パーツごとに異なるトラブルが現れます。保湿ケアを基本としつつ、悩み別に合わせたパーツケアで効果的に肌トラブルが改善できるよう、各パーツのケア方法を藤井さんに教えていただきました。
二の腕のブツブツ
「こすり洗いは控え、レチノール配合のクリームなどを塗布。最低でも1か月半は続けてターンオーバーを促進し、なめらかな肌を目指しましょう」
二の腕のブツブツの解消には少々時間をかける必要があるようですね。改善されるまでの間、症状を悪化させずにブツブツを隠す方法はありませんか?
「メイクで隠そうとすると毛穴を詰まらせ、症状を悪化させます。また紫外線でも悪化することがあるので、洋服で二の腕をカバーすることがオススメ。
ただ、汗をかくとかゆみが伴い、かくことで症状が悪化するので、こまめにボディシートなどで汗を拭くことを習慣にしてください。
特別な日にどうしてもブツブツを隠したい!ということであれば、舞台用の粉おしろいを重ねると赤みが抑えられ、視覚的にはカバーできます。舞台用なら汗にも強いです」
背中やヒップの吹き出物
「きちんと清潔にしつつも、過剰なこすりは黒ずみの原因になるので注意。入浴後はニキビケアアイテムでケアすると効果的」
ナイロンタオルでのこすり洗いは避けるべきと先ほどアドバイスがありましたが、手が届かない背中やベタつきが気にあるヒップ、胸の間など部分的にしっかり洗いたい時は、どんなウォッシュアイテムを使用すべきですか?
「コットン素材のタオルや手ぬぐいを。コットンは泡立ちが悪いため敬遠されがちですが、肌にも優しく、汚れを落とすという目的においては十分に役割を果たしてくれます。
どうしてもこすり洗いしたい場合は、少し贅沢ですがシルクタオルを。シルクは肌の汚れを落とす力があるので、シルク素材のウォッシュアイテムを取り入れてみるのも方法の一つです。しかし、実は体の汚れはこすらなくても、軽く泡立てたボディソープをサッとなじませるだけでも落とせるので、こすり過ぎないように注意してくださいね」
ひざ・ひじ・かかとのゴワつきや黒ずみ
「ボディ用スクラブで角層ケア。その後、しっかりと保湿をすることが大切です。また、美白アイテムを使うのもオススメ。
特に夏の時期のかかとは、サンダルなどで足がむき出しになるうえ、汗や汚れで肌のうるおいが低下しやすい場所。さらに、冷房で足元が冷えていると血液循環が悪くなって栄養が行き渡らず、より乾燥が助長されます。
そのため、週1回のかかとの角層ケアを心がけて。頻繁にやりすぎると肌のバリア機能低下や色素沈着を起こしてしまうので注意を!力を入れすぎず、肌をなでるように優しくするのが基本です。
また、黒ずみが気になるからと、角層ケアアイテムの重複は避けましょう。スクラブとピーリングを一緒に行なったり、角層除去化粧水を重ねるのはNGです」
体の隅々まで行き届いたボディケアを教えてくださった藤井さん。最後に、人目につきやすい“手”について、今すぐ実践すべきケアを指南しています。「新型コロナウイルスの影響で、アルコール消毒の回数が多くなったことで手の常在菌バランスが崩れ、手荒れを訴える方が増えています。保湿をセットで行うようにしてくださいね」