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UVケア

覚えておきたい、「春から始めるUVケア」

春本番。外出する機会も多くなるこの季節。と同時に気になるのが紫外線ケア。意外かもしれませんが、一年を通じて一番紫外線量が多いのは春から初夏にかけてだということをご存知ですか? 肌のことを考えたら、今こそUVケアをしっかりとおこなうべき。渋谷スキンクリニックの吉田貴子院長に、紫外線のいろはを教えていただきました。

肌こそ、あなたの一生を物語るモノ

「紫外線ケア」の必要性はここ数年で誰もが認識していると思いますが、「ナゼ、日やけはダメなのか」については知らない方が多いのではないでしょうか? といっても、紫外線は完全な「悪」ではないのです。血中のカルシウムを上昇させ、骨形成に必要な「ビタミンD」は、紫外線を浴びることで体の中で生成されます。食材で摂ることも可能ですが、それだけでは不足する場合もあります。ということで、体内で「ビタミンD」を生成させるために不可欠な紫外線なので、上手に付き合いたいものですね。

ただし困ったことに、紫外線を浴び続けると肌への負担、つまり「光老化」を加速させてしまいます。気になるのは、紫外線の量。365日、天候に関係なく紫外線は降り注いでいますので、日常生活を送りながら(紫外線を)完全にシャットアウトすることは困難です。歳を重ねても活き活きとした肌をキープさせたいのであれば、毎日のUVケアをおすすめします。肌は一生かけて育むもの。今からでも遅くはありません。5年後、10年後の肌のためにできることを始めていきましょう。

肌ダメージを引き起こす光老化とは?

先ほどもお話しましたが、紫外線による肌ダメージは気をつけたいところ。シミはもちろん、肌のハリがなくなり目元に小ジワができる、なんていうのも紫外線の影響によるものです。その大きな原因は「光老化」。肌の真皮にあるコラーゲン線維やエラスチンがダメージを受けると、弾力性の低下、うるおいの低下につながります。

また、肌表面の角層にも影響を及ぼします。紫外線は角層の水分量を低下させ、肌のバリア機能も低下させます。バリア機能の低下は乾燥やくすみを始め、アレルギー性の発疹などさまざまな肌トラブルを招きます。そんな肌トラブルの予防という意味でも、保湿はとても重要です。

「日やけ止めはかかさずに!」というのは本当

私たちが地球上で生活している上で影響を受ける紫外線はUVAとUVBの2つです。海や山へ行くような「レジャー日やけ」は紫外線の波長が強いUVB、屋内にいても「何か日やけしているような気がする」というのは肌の奥深くにまで届くUVAが影響するといわれています。

「ロングUVA」という言葉を耳にしたことはありますか? 近年では、UVAを短波長と長波長に分ける考え方が浸透しつつあります。短波長UVAは皮膚のメラニン色素を増やし、シミの原因となります。長波長UVA(ロングUVA)は短波長UVAよりさらに皮膚の深部、真皮に到達しダメージを与えます。真皮にあるコラーゲン線維、エラスチンはもちろん、肌をつくる細胞(線維芽細胞)にまでダメージを与えるといわれています。

紫外線は天候に関係なく降り注ぐもの、と冒頭でお話しましたが、さらに詳しく説明すると、特にUVAは屋内にいてもガラス越しに入ってきますし、雨や曇りの日でも地上に降り注いでいます。UVAは、日やけ直後に肌を黒くするUVBの様な短期的な反応は起こしませんが、じわじわと肌に長期的な反応を起こします。UVA、UVB、いずれにしても予防することをおすすめします。

日やけ止めは用途で選んで

雨や曇りの日には、特にUVAに注意しましょう。一方、UVBは特に晴天の時に降り注ぐので、晴天の日には、UVAだけではなくUVBにも注意が必要です。日やけ止め効果のある製品にはそれぞれを予防する指標が付いていますので、理解した上で選んでください。

●UVB
日やけ直後に「サンバーン」、いわゆる火傷の状態を起こす紫外線。赤くなり、ひどい場合には水疱ができる。紫外線の波長は短いが力は強い。防御する指標はSPF (Sun Protection Factor)、最高値は50+。

●UVA
日やけ数日後以降からの「サンタン」を起こす紫外線。紫外線量全体の約75%を占め、日常生活でも日やけをしてしまう波長の長い紫外線。メラニン色素を生成させ肌を黒化させる。防御する指標はPA(Protection Grade of UVA)、プラスの数で防御効果を示しており、現在の最高値は++++。

UVケアはこまめに手入れをすること

レジャーへ行かれた際など、水や汗、皮脂で日やけ止めが流れてしまうことがあるため、こまめに塗り直すことをおすすめします。

また、日常生活ではSPF、PAがついている化粧品(化粧下地、ファンデーションなど)でメイクをするのが良いでしょう。ランチ後の化粧直しをする際には、ティッシュなどで軽くオフしてから、UVケアアイテム+ファンデーションの重ねづけを。

現在、UVケアができるスキンケアアイテムは紫外線防止だけなく、肌にやさしい処方や使い勝手の良さに定評があります。ですが、特に陽射しの強い日などは、それだけで安心せず日傘や手袋、帽子、長袖シャツやストールなども着用して「紫外線から肌を守る」という意識を持つことは大切です。

いかがでしたか? UVケアを毎日のお手入れのルーティンに追加して、美肌を目指してくださいね。

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取材協力 吉田貴子(よしだ たかこ) 皮膚科・美容皮膚科医

渋谷スキンクリニック院長。一般皮膚科と美容皮膚科の両方を開設し、男女問わずあらゆる肌の悩みに向き合う。なかでもニキビ・毛穴治療を得意とし、しつこいニキビや深刻なニキビ痕、毛穴の開きをケア。保険診療の他、自費治療での美容皮膚科診療、メディカルエステを組み合わせ、あらゆる肌トラブルに取り組んでいる。