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フランス便り

日本とはこんなに違う! フランス流マナーとは

ボンジュール。
日本も随分寒くなりましたか? パリは、ダウンコートとブーツの季節が始まりました。
こちらは、12月に入るとすっかりクリスマス色満載です。フランスは、カトリック信者の方が多い国ですので、クリスマスの本番は24日。それまでに慌てて善い行いに勤しみ、心を清めます。

年末年始になると、日本の旅行者の方もたくさん訪れます。これを読んでいらっしゃる方の中にも、パリ行きの予定がある方もいるかもしれませんね。そこで、日本とフランスのプチマナーの違いをお話しさせていただきます。

まずは歩き方。
どんなに寒くても、背筋と膝を伸ばして堂々と歩きましょう。日本人女性は、こちらの一般の方達よりもバッグやお洋服など、上質なものをお持ちです。でも、猫背で膝が曲がっている方が多いのも確か。そうするとせっかくのおしゃれが、チープに見えてしまいますよ。

次に食べ方。
パリに住んでいると日本からのお客様が、公私共に一年中いらっしゃるのですが、食事をご一緒するたびに「ドキッ! またか…。イタタタタ」と思う時があります。それは、パスタをはじめとした麺類を食べる時。「ズルズル」と音を立てるのはこちらではNGです。私たちパリに在住の日本人でも、日本のお蕎麦やさんや、うどん屋さんで音を立てて食べることはしません。パリの中華街には美味しいフォーのお店がたくさんあるのですが、そこでもアジア人皆さん、同じように音を立てて食べることはしないのです。

日本では通だと言われる食べ方も、こちらではバッドマナー。同じテーブルにいると本当に恥ずかしくて、隣のテーブルの人たちの様子をキョロキョロ伺ってしまうほどです。ぜひ、気をつけてくださいませ。

次は、同じ食べ物つながりでパンとワインについて。
ある日、フレンチの3星レストランに行った時のことです。綺麗に着飾った日本の若いお嬢さんが、お皿の上のパンを片手で持ち、そのままお口へ放り込み、噛み切っていました。あまり日本でも見かけないとは思いますが、マナー違反というか、周りの人を不愉快にしますよね。レディはひと口サイズにパンを手でちぎってから召し上がってくださいね。

またワインについては、女性がお酌をしてはなりません! こちらではお酌は、男性の仕事。それは家の中であっても同じこと。ワインをサーブするのがお父さんの役目です。空のグラスに気がつかない男性に指示するのは、女性の役目。この文化はぜひ、日本の男性たちに見習ってほしいものです。

私がパリに来て驚いた事のひとつが、お誕生日文化の違いです。
パリでは、お誕生日の人自身がパーティーを主催します。シャンパン、ワイン、ご飯に、ケーキを準備してゲストを迎えるのです。余談ですが、お祝いによく使ういちごのショートケーキはフランスにはありません。パリの日本人パティシエのお店には存在しますけれどね。そして、いちごはこちらでは初夏の果物ですから、クリスマスにショートケーキなんて文化はあり得ないのです。

また、多くの方が戸惑うのが時間に対する感覚の違い。もし、あなたがフランス人の家にお招きされたら、指定の時間に行くのはNG! 駅や外で待ち合わせの時はほぼ時間通りですが、お呼ばれした時には、Just on time では失礼になりますので、5分から10分遅れて、ドアのベルを鳴らしましょう。

こんな風に、外国を訪れる時は、ちょっとその国の文化風習に触れておくと、滞在中、気持ち良く過ごせるのではないでしょうか?
最後に、ひとつご注意していただきたいことが。12月25日のパリは、日本の元旦のように、みんな実家に帰り家族と静かに過ごします。当然、お店やレストランもクローズしているのでご注意くださいね!

今年もあとわずかですが、つたない文章を読んで頂きましてありがとうございました。来年もパンチの効いたパリ便りをお届けできるよう努めますね。
皆様、素敵で美味しい年末年始をお迎えください。MERCI.

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取材協力 YOLLIKO SAITO 写真家

日本大学芸術学部写真学科卒業。広告制作会社勤務後フリーになる。現在、パリを基点としてヨーロッパ、アフリカなどで活躍。日本の女性誌、書籍、広告の他にアート作品の写真展をパリ、ベルリン、銀座で定期的に開催。ビオ、自然食、自然治療にも関心が強く、自他ともに認める「健康マニア」。自宅で栽培しているオーガニックハーブを使った料理をもてなしたり、ナチュラル・オーガニックコスメなどの美容情報にも精通。