この時期は内臓の不調に注意! 胃腸を元気にするツボ
春の異動や引っ越しなどで環境の変化を経験した人も多いはず。「新しい環境にも慣れてきたこの時期は、実は内臓に不調が表れやすい時期でもあります」と教えてくれたのは、All About「鍼灸療法・ツボ」ガイドの山木伸允さん。
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環境の変化は内臓にもストレスをかけている!?
「環境の変化に適応するため分泌されるストレスホルモンは、胃の働きを抑制し大腸の働きを活性化させます。そのため春から夏にかけては、胸焼けや食欲不振、お腹を下す、ガスが溜まるなどの内臓の不調が発生しやすい人も…。また、ストレスを受けると人間は無意識に身体を丸めるような姿勢をとりやすくなるため、こうした姿勢も腹腔の圧力を高め、胃腸に負担をかける要因になるのです」
弱った内臓にはおへそまわりの健里と天枢のツボが効果的
胃腸の働きを活発にするために効果的なのが、建里(けんり)や天枢(てんすう)といったおへそまわりのツボ!
「健里は、おへそとみぞおちのちょうど真ん中から、親指の太さ1本分下あたりにあります。また、天枢はおへその外側、親指2本分左右にずれたの位置にあります」と山木さん。これらふたつのツボは、古くから胃腸の養生のために利用されてきたツボ。痛みを感じない程度に優しくマッサージするのが効果的です。
冷えて消化の鈍った内臓には、ツボの温めケアが効果的!
気温の高まりとともに毎日のコーヒーや紅茶、お茶などを冷たいものにシフトしたり、アイスクリームなどひんやりスイーツが恋しくなる人も多いはず。
「人間の身体は、温度が低下すると血液の循環や神経の伝達速度が低下します。冷たい食べ物や飲み物をたくさん摂りすぎると、胃腸の血液循環が低下し活動が行いにくい状態に・・・」と山木さん。
「冷たいものの撮り過ぎは、活動が鈍っている内臓にさらに負担をかける行為。内臓が必死に消化をしようと働く結果、腹痛を引き起こしたりもします。そんなときは、先ほどの建里や天枢を、お灸などで温めるのが効果的です。また、生理痛をはじめとした婦人化系の治療にもよく利用される、三陰交(さんいんこう)のケアも女性にはおすすめです。
このツボは、全身の血(けつ)の循環を改善し、心身にエネルギーが行き渡ることで体内に侵入した邪気を追い出す効果があると言われています。三陰交は脛(すね)の骨のキワにあり、内くるぶしから指幅4本分上のところにあります」
ストレスからくる内臓の不調ケアは、夜寝る前などリラックスした状態でマッサージするのが効果的。また、冷たいもののとり過ぎによるツボ温めケアは、食前に行うのが有効だとか! 後の食事の消化を手助けしてくれるから、美味しく食事ができるはずです。
illustration: Mana Nishida